「飼い主の耳になって支える」賢い猫が、最高賞を受賞

耳の不自由な女性の「英雄猫」

写真はイメージです

とくに訓練を受けたわけではないのに、飼い主の耳代わりになって生活を助ける猫が、英国で「2023年最高の猫」(National Cat of the Year )として表彰されました。

猫の名は「Zebby」。猫の福祉・保護団体「Cats Protection」が数多くの候補の中からこの猫を選び、7月17日にロンドンのWilton’s音楽ホールで表彰式を開催しました。

Zebbyは、ダービーシャー州チェルターフィールド在住の耳の不自由な飼い主Genevieve Mossさん(66歳)と暮らしていて、生活の中のさまざまな音を彼女に知らせ、支えているのです。

彼女は、こう話します。

「Zebbyがどれほど感覚鋭く思いやりのある猫であるかを、世界中のみなさんにお知らせすることができて、とても興奮しています。この子のお陰で、人生が豊かになりました。今では、Zebbyのいない暮らしなど想像もできません。最高の猫に選ばれたことを、誇りに思います。耳が不自由で独り暮らしの私ですが、Zebbyがいれば孤独など感じません。私の英雄猫ですよ」

音を知らせ、手紙を運ぶことも

写真はイメージです

「私は補聴器を使わないと何も聞こえません。でもZebbyは電話が鳴るとやって来て、足でタッチして教えてくれます。夜に異常な物音がすれば、ベッドにやって来て頭を軽くたたいて起こしてくれます。誰かが訪問して来ると、私のすぐ前をうろちょろして教えてくれるのです」

「おまけに親切な性格で、いろいろモノを運んでくれます。ドアの下に配達された手紙を口でくわえ寝室まで持って来るとか。私がスリッパをどこかに置いていると、ちゃんと足元まで運んできてくれます。Zebbyは特別です。こんなすばらしい猫に出会ったのは初めて。私のそばが好きで、いつも必ず近くにいますね。私たちの絆は深く、もうこの子なしの生活なんて考えられません」

Zebbyは当初「家族猫部門」の一般投票で1位に選ばれました。その後、有名人や専門家からなる委員会で「最高の猫」としても選出されたのです。選定メンバーには同団体の動物福祉局長であるMaggie Robertsさんのほか、獣医師などが名を連ねています。

Zebbyには、トロフィーに加えて、200ポンド分(約3万7千円)の商品券を含むさまざまな賞品が贈られました。

ほかにもすばらしい猫たちが

写真はイメージです

「最高の猫」賞を運営するAshley Fryerさんはこう話します。

「Zebbyの申請書を読んだ瞬間、これは特別にすばらしいと思いました。飼い主さんにとても忠実だし、人間と猫の絆がどれほど深くなれるかを示しています。猫が与えてくれる喜びと慰めを、しっかり体現していますよ」

このほかの部門の入賞猫をご紹介しましょう。

  • 社会セレブ部門:弱った野良の子猫だったのに、長じてソーシャルメディアのスターになった猫Eric
  • 同僚猫部門:ハンプトンコート宮殿で働く庭師たちの話し相手になり、日々娯楽を提供してくれる猫Henry9世
  • 驚異の猫部門:糖尿病の飼い主が意識を失ったときに、まわりに知らせてくれた猫Willow

「Cats Protection」は、英国で活動する代表的な猫のための福祉・保護団体です。過去5年間に、傘下にある210のボランティア運営支部と、34の猫譲渡センターが協働して、年15万7千匹の猫を保護してきました。

出典:Deaf owner’s hearing cat Zebby named National Cat of the Year 2023

© 株式会社ピーネストジャパン