薬師寺で「天武忌」十二神将が練り歩き

金堂前に並んだ十二神将=8日、奈良市西ノ京町の薬師寺

 奈良市西ノ京町の薬師寺で8日、同寺創建を発願した天武天皇をしのぶ「天武忌」が営まれ、薬師如来の守護神、十二神将の練り供養が行われた。

 天理大学雅楽部の演奏に導かれ、十二神将と日光、月光両菩薩の面を着けた一行が、回廊から中門を通り金堂前へと練り歩いた。金堂前では大勢の参拝者が見守る中、般若心経が唱えられ、十二神将の各所作が披露された。

 続いて金堂では、加藤朝胤管主らによる大般若経の転読法要があり、午後は無病息災を祈る火わたり式も行われた。夕方から回廊などに並べられた灯籠に明かりが入り、幻想的な雰囲気の中、大講堂で天武忌の法要が営まれた。

 娘と二人で訪れた埼玉県日高市の横手正子さん(75)は「薬師寺の落ち着いた雰囲気が好きで、時々訪れる。今日の法要は偶然だったが、心がすっきりとした」と話した。

 東塔(国宝)の解体修理が終わったことを記念し、同寺では東西両塔の拝観が来年1月中旬まで行われている。

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