屋台が85段の石段上り、豪快宮入り 大迫力の練り合わせも 「播州三大祭り」の大宮八幡宮秋祭り 兵庫・三木

8台がそろい、披露された練り合わせ=7日午後、三木市福井2

 播州三大祭りの一つとされる大宮八幡宮(兵庫県三木市本町2)の秋祭りが7、8日、営まれた。各地域を巡行した屋台が85段の石段を上って豪快に宮入り。新型コロナウイルスによる祭りの中止や大雨で全8台の屋台が境内にそろうのは4年ぶりとなった。多くの観衆が集い、熱気がまちを包んだ。(長沢伸一)

 宵宮の7日午後には、屋台8台が三木鉄道記念公園(同市福井2)に集結。太鼓の音が鳴り響く中、大迫力の練り合わせを一斉に披露した。

 午後4時半ごろから、全明石町を先頭に、新町、全末広、下町、栄町、高木、平田-の順に宮入り。日が落ち、次第に暗闇が広がると、豪華絢爛(けんらん)な屋台が幻想的に輝いた。太鼓やゆっくりとした「ヨイヤサー」のかけ声などに鼓舞され、一段一段進んでいった。体勢が崩れそうになっても担ぎ手たちは何度もかけ声と力を合わせ境内を目指した。屋台が鳥居に到着すると、境内に詰めかけた観衆らから拍手が巻き起こった。

 本宮の8日は曇り空が広がり、天候が心配された。今年の大当番を務める大村地区は、4年ぶりの宮入りに向けて準備を進めた。昨年は石段下まで巡行したが、あいにくの大雨で、境内に屋台を入れることはできなかった。

 8日は正午過ぎに禰御門神社(三木市大村)で、大村地区の青年団員と小学1年生4人が獅子舞を奉納。約1カ月間、練習を重ねてきたといい、笛や太鼓の音に合わせて力強く演じた。小学生4人は「旗を振るのが楽しかった」と屋台に乗り込んだ。

 大村地区の屋台は夕方、8台の最後として、石段前に到着。雨に負けず、一歩一歩石段を踏みしめるように上がっていった。鳥居をくぐると、担ぎ手の思いを示すかのように屋台が揺れた。西垣豪起(ひでき)区長(73)は「新型コロナウイルスの影響もあり、3年間、宮入りできていなかった。今年こそはという思いだった」と話していた。

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