那須町の朝日岳遭難 4人の死因は低体温症 専門家に危険性などを聞く

 那須町の朝日岳の登山道付近で4人の遺体が見つかった事故で、警察は死因はいずれも低体温症だったことを明らかにしました。登山シーズンを迎え注意点を専門家に聞きました。

 この事故は6日、「同行者が低体温症になって動けなくなった」と通報があり、警察などが捜索した結果、7日の朝早く4人の遺体が見つかったものです。宇都宮地方気象台などによりますと、通報があった6日正午ごろ県北部には強風注意報が出されていて、現場付近では平均で風速20メートルの風が吹き、6日から7日の朝までの最高気温は6.5度、最低気温は4.5度だったということです。

 国際認定山岳医で那須の登山にも詳しい上小牧憲寛さんによると「強風で動けなくなり風が強く吹けば吹くほど体感温度は下がって体温は奪われる」と低体温症になる危険性を指摘し、引き返す選択肢を持つことも重要と警鐘を鳴らします。その上で低体温症を予防するには体を保温する防寒着、雨風や寒さをしのぐための簡易テント、待避所で使うバーナーと燃料用のガス、エネルギー源となるチョコレートなどの非常食と温かい飲み物を携帯することが重要だということです。

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