客8万人超が見守る中、一気に上空300メートルへ秘伝ロケット“龍勢”発射 秩父で400年以上も続く例大祭のすごさ 注目「あの花」も登場、ごう音響く

開催された「龍勢祭」

 埼玉県秩父市下吉田の椋神社の例大祭「龍勢祭」が8日、同神社周辺で行われ、地元住民らで組織する流派の手作りロケット「秩父吉田の龍勢」(国重要無形民俗文化財)が芦田山の空に天高く打ち上げられた。会場には約8万4千人(主催者発表)が訪れ、秩父の秋の風物詩を堪能していた。

 龍勢祭は400年以上の歴史を誇り、伝統を受け継ぐ流派が秘伝の技法で精魂込めて龍勢を製造している。今年は4年ぶりに通常開催し、24流派が計27本の龍勢を奉納。秩父を舞台にしたアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(あの花)」の龍勢も打ち上げられた。

 流派たちの威勢のいい口上とともに、やぐらから発射された龍勢は、ごう音と白煙を残して一気に約300メートル上空へ。地元小学生や、あの花ファンらが思いを込めて寄せ書きした落下傘がふわりと空で踊り、会場は盛大な拍手に包まれた。

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