供給難強まるレーズン カリフォルニア産8%減 トルコも大減産で高値一色に

レーズンの供給量が世界的に低迷している。

最大産地の米カリフォルニアでは、今期(23年8月~24年7月)のレーズン生産量は前期比約8%減の16万6千530st(ショート・トン=約15万1千t)となる見通し。前期からの繰入れ在庫量は約6万3千stと、新物が出回るまでの需要をカバーするには不足している。

前期からの繰り越し在庫もわずかとみられ、総供給量は大きく低迷しそうだ。

19年に25万stあった同州の生産量は翌年の大減産以降、4年連続で20万stを割る歴史的低水準が続く。

大きな背景となっているのが、ナッツ類などへの転作などを背景にこの20年ほど進んできた作付面積の縮小だ。00年に11万3千haあった作付面積は激減し、現在は約3万5千700ha。昨年に比べても3割近く減っている。近年の生産コスト上昇から、レーズン農家では生産の縮小・撤退が相次いでいる模様だ。

日本市場では、カリフォルニア産は供給量低迷による相場高と円安のダブルパンチで価格高騰が続く。今期の減産でこれに拍車がかかりそうだ。

米国産の高騰を背景に、製パン大手などではより安価なトルコ産レーズンに原料を切り替える動きがここ5年ほど続いてきた。17年の輸入量シェアは米国産が89%、トルコ産は5%だったが、差は徐々に縮小。昨年にはそれぞれ74%、20%となった。

トルコ産は安定した供給量とともに、長期にわたり続くリラ安も追い風。「あらゆる原材料が値上がりするなかで、例外なく安い代替原料を探す動きが出てきている。それがレーズンの場合はトルコ産ということになる」(輸入関係者)。

ただ今年のトルコ産は、悪天候や病害の影響から記録的な大減産となる予想。品質も低下が見込まれている。現地からのオファー価格も、昨年の新物に比べて大幅に上昇。米国産とともに相場の先高観が強まってきた。

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