最後の舞台「10位内」 公務員と両立 トライアスロン日本選手権へ 茨城・龍ケ崎市職員の小林さん

龍ケ崎市職員とトライアスロン選手を両立する小林竜馬さん(中央)。周囲への感謝を忘れずに最後の大舞台に挑む=同市馴馬町の市保健センター

茨城県龍ケ崎市の職員とトライアスロン選手を両立する小林竜馬さん(25)が15日、日本選手権に出場する。今大会を最後に一線を退くと決め、国内最高峰の舞台で「有終の美を飾りたい」と意気込む。職場を含めた周囲の支えに感謝を忘れず、「龍ケ崎市役所」と入ったレースウエアを身にまとい、自身未到のトップ10を目指す。

小林さんは仙台市出身。流通経済大(龍ケ崎市)を卒業し、2020年春に入庁した。教育総務課、まちの魅力創造課を経て、4月から健康増進課。市民の介護予防や健康づくりに取り組む。

中学1年の頃、競泳選手だった父の趣味をまねてトライアスロンを始めた。スイム(水泳)、バイク(自転車ロードレース)、ラン(長距離走)を連続でこなす過酷な戦いだが、「強い達成感がある」と魅力を語る。自身の特徴は偏りのないバランス型という。

同大でトライアスロン競技部に所属。日本トライアスロン界をリードしたオリンピアンで監督の田山寛豪さん(同県大洗町出身)から指導を受けた。進学の選択も田山さんの存在が大きかったという。3回の日本選手権出場も果たした。地域貢献と応援に恩返ししようと市職員の道を選んだ。

公務の前後や休日を有効活用して練習に励む。市職員となって初めて挑んだ21年の日本選手権では自己ベストの14位を記録した。「周りのサポートで成り立っている」と実感を込める。

一方で「全体的に選手がレベルアップする中で、やりきった思いがある」。22年に茨城県代表として臨んだ栃木国体では40位台に低迷。日本選手権に出ることもかなわなかった。「しっかりトレーニングしただけに、ショックだった。もう『賞味期限切れ』なのかもしれない」と落ち込んだ。

それでも、田山さんから「もう一度」と励まされ、「大舞台で終えたい」と決意。国内大会で実績を積み、5度目となる日本選手権への切符を手にした。「崖っぷちから何とか食らいついた」と受け止める。

21年の日本選手権と同様に、勤務先の名前が刻まれたレースウエアで挑む。「龍ケ崎を宣伝できる最後の機会になる。働きながらでも、ここまで来られたんだと示したい」

13年にわたる競技生活。完全燃焼で締めくくると誓う。

日本選手権は東京・お台場海浜公園の特設会場で行われる。小林さんは午前11時半にスタートし、スイム1.5キロ、バイク40キロ、ラン10キロに臨む。ユーチューブでのライブ配信も予定されている。

© 株式会社茨城新聞社