【仮面夫婦】いつまで続ける? 続けられるの? 妻たちの葛藤とリアル #3「夫の存在に怯える自分」

夫婦の形は作っているものの、普段から会話もなければ互いに関心も向けないのが「仮面夫婦」です。

離婚を避けることにはさまざまな理由がありますが、冷めた夫婦仲のままでは結婚生活の先が見えないのも事実で、「どうなるのだろう」と不安になる人も少なくありません。

仮面夫婦をいつまで続けられるのか、現状を変えたくなったらどうすればいいのか、現実に苦悩する女性たちのリアルをご紹介します。

「夫とは子どものことでは会話があるけれど夫婦仲が良いような状態ではなく、『ゆっくり寝たいから』と寝室を分けられてからはふたりで家のなかにいても顔を合わせることもなく、仮面夫婦だなと思っています。

お互いに正社員で忙しいこともありますが、子どもの塾の送迎や参観日など育児で協力せざるを得ないことが多くて、そこだけでつながっている感じです。

家事も分担通りにこなせているけれど、自分が担当する洗濯の洗剤がなくなるとそれだけを買ってきて補充しているような夫を見ると、本当に同居人のような感覚になるときもあります。

それでも、子どもにとっては唯一無二の親であって、子の前だけでも夫婦らしく振る舞えたらいいと割り切っていました。

いつまでこんな状態を続けるのか、と不安が大きくなったのは同じ市内に住む私の母親が転倒で足の骨を折ってからで、同居している妹が病院の送迎などをやってくれているけれど、いずれ介護の負担は私も負うことになります。

そうなったら夫にも話さないといけないし、逆に夫の親に何かあった場合も同じく私も無関係ではいられないと思います。

今までは目の前の生活をこなすことで精一杯でしたが、親の怪我をきっかけに夫との状態について考えるようになり、『もし離婚を切り出されたらどうしよう』と思うと胸が痛くなります。

仮面夫婦状態を放置してきたせいだけど、いずれにせよ今のままではいられなくなるのがわかってきて、家のなかで夫の存在に怯える自分がいます」(45歳/営業)

親の介護などが身近な問題になると、仮面夫婦状態であってもやはり配偶者には伝えないといけない話も出てくるため、そこで今後を考えるという人もいます。

先の見えない結婚生活を、今はよしとできていてもいずれは変化を受け入れるときが来るのだ、と実感すると、そのときの自分を想像できなくて不安が大きくなりますよね。

これをきっかけに、ふたりのつながりを変える関わりを思いつくことも、また正解ではないでしょうか。

(ハピママ*/ 弘田 香)

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