「緊急GK」務めたフィールドプレイヤー、印象的すぎた10選手

先日ACミランで緊急ゴールキーパーを務めて大きな話題を集めたオリヴィエ・ジルー。

ただ、もちろんゴールキーパーが不在となったためにフィールドプレイヤーがそのかわりを務めることは多い。今回はそのなかで印象的だった10名をご紹介する。

長谷部誠

当時の所属クラブ:ヴォルフスブルク

日本人選手のフィールドプレイヤーとして海外で緊急ゴールキーパーを務めたのは長谷部誠。中盤の様々なポジションやサイドバックとしてプレーしていた彼は、2011年9月のホッフェンハイム戦でゴールマウスを守ることになった。

レッドカードで退場した守護神の代わりを務めたものの、その後失点を喫して敗れてしまった。ただその中で見せた高精度のロングキックやパントキックは「さすがフィールドプレイヤー」と評価されている。

ルーカス・ラデベ

当時の所属クラブ:リーズ・ユナイテッド

世界的にも珍しい「緊急ゴールキーパーを2ヶ月連続で務めた」選手である南アフリカ代表の名センターバック。1996年3月のミドルスブラ戦でGKジョン・ルキッチが脳震盪を起こしたためにその代役を務めた。

そして4月17日のマンチェスター・ユナイテッド戦ではGKマーク・ビーニーが17分で退場になってしまったため試合のほとんどを担当することになった。0-1と敗れたものの1失点に抑え、リーズファンから大きな支持を受けた。

ヤン・コレル

当時の所属クラブ:ボルシア・ドルトムント

チェコ代表の長身ストライカーとして知られたヤン・コレル。2メートルを超える体格を持ったスキンヘッドの選手で、トマーシュ・ロシツキーらとともにチェコの黄金時代を支えた。

彼は2002年11月9日のバイエルン戦でイェンス・レーマンが退場したあと、24分に渡ってゴールマウスを守り、一つも失点しなかった。試合に敗れたものの、『Kicker』では週間ベストGKに選ばれている。

ジョン・テリー

当時の所属クラブ:チェルシー

チェルシーでジョン・テリーがゴールマウスを守ることになったのは2006年10月14日に行われたレディング戦だ。ペトル・チェフが接触プレーで頭蓋骨を骨折し、その代わりにカルロ・クディチーニが出場した。

しかしクディチーニも終盤になって意識を失う怪我を負ってしまうという不運に見舞われ、最終的にジョン・テリーがゴールマウスに駆り出されることになった。しかも彼は無失点に抑え、試合も勝利している。

フェリペ・メロ

当時の所属クラブ:ガラタサライ

ブラジル代表の狂犬フェリペ・メロがゴールマウスを守ったのは2012年11月24日、彼がガラタサライでプレーしている時だ。エラズースポル戦でGKフェルナンド・ムスレラがPKを与え、さらに退場してしまった。

後半アディショナルタイムで代わりにゴールキーパーのユニフォームを着たフェリペ・メロは、なんとこのPKをセーブ。チームの勝利に大きく貢献した。

ママドゥ・サコ

当時の所属クラブ:パリ・サンジェルマン

後にリヴァプールでもプレーするママドゥ・サコ。パリ・サンジェルマンでプレーしていた2012-13シーズンの最終節で、突然彼にゴールキーパーとしての仕事が与えられた。

60分にGKアルフォンス・アレオラに代わって引退前最後の試合となったロナン・ル・クロムが出場。彼にとってはパリ・サンジェルマンでのデビュー戦でもあったが、なんと21分後にPKを与えて退場してしまった。サコはこのPKを止められず、ル・クロムはピッチの外で号泣していた。

コズミン・モツィ

当時の所属クラブ:ルドゴレツ・ラズグラド

ルーマニア代表の名センターバックであるコズミン・モツィ。2012年から長くブルガリアのルドゴレツ・ラズグラドでプレーしていた彼のハイライトが、2014年8月27日のチャンピオンズリーグ予選プレーオフだ。

彼の故郷ルーマニアの名門ステアウア・ブカレストとの対戦で延長戦の途中に緊急ゴールキーパーを務めることになり、同点で迎えたPK戦で2本のシュートをストップ。チームの勝利に大きく貢献した。

シャーケル・アラドゥール

当時の所属クラブ:コモロ代表

アフリカネーションズカップ2021の最大のハイライトだった、ベスト16のカメルーン代表対コモロ代表。試合の前に新型コロナウイルスの感染によりコモロのGK3名が離脱してしまい、DFのシャーケル・アラドゥールがスタメンで守護神を務めることに。

当然ユニフォームもないためガムテープで背番号と名前を作って出場したアラドゥールは、1-2で敗れたものの試合を通して2失点のみに抑える活躍を見せ、世界的に注目を集めた。その後「ガムテープユニ」はチャリティーオークションにかけられている。

エンソ・ペレス

当時の所属クラブ:リーベル・プレート

エンソ・ペレスもコロナウイルスの影響でゴールキーパーを務めることになった選手の一人。2021年5月19日に行われたコパ・リベルタドーレスのインデペンディエンテ・サンタフェ戦で、リーベル・プレートは20人もの選手が陽性反応を示した。

そもそも11人しか選手がいない状況になったため、ハムストリングの怪我を抱えていたエンソ・ペレスが急遽守護神に。しかもなんとリーベル・プレートはこの試合を2-1と勝利し、1失点に抑えた彼はマン・オブ・ザ・マッチを獲得した。

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オリヴィエ・ジルー

当時の所属クラブ:ミラン

そしてもちろん今回のACミランで素晴らしいプレーを見せたオリヴィエ・ジルー。ジェノア戦で退場したマイク・メニャンに代わってアディショナルタイムからゴールキーパーとして出場することに。

そのなかで見事なセーブを一つ見せたこともあり、ミランは彼のプレーを称えてホームページの選手リスト欄に「GK オリヴィエ・ジルー」と加えている。

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