関東大震災伝える鳥居、厚木神社に保存 二つに折れた石、実は…

かつての鳥居の柱の横に立つ関戸彰さん。足元に横たわるのが「笠木」=厚木市厚木町の厚木神社

 相模川にかかる相模大橋のたもと近くに位置する厚木神社(神奈川県厚木市厚木町)。境内の南端に石の太い柱が立ち、その下に長さ3~4メートルの角張った石のはりのようなものが横たわる。横たわる石はほぼ中央で二つに折れているが、よく見ると両端が反り上がった曲線を描いている。実はこの石は、かつて同神社に立っていたとみられる鳥居上部の横木、いわゆる「笠木」と呼ばれる部分だ。立っている石の柱の方には「大正十二年 大震災倒壊記念」と彫り込まれている。

 見つかったのは2012年。同神社責任役員・氏子総代の関戸彰さん(84)が、神社そばの道路脇に埋まっていたのを見つけた。

 「以前から、神社裏の堤防道路下の土の中から、何か出ていたのは気付いていた」と関戸さん。神社の屋根を修理した際、ついでに神社の周囲も整理した。その時に掘り起こして出てきたのがこの鳥居。「震災を記した大切なもの。すぐに石材業者に頼んで境内に飾ったんです」と振り返る。

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