使用済み核燃料の福井県外搬出問題はヤマ場 国と関西電力、10月10日に県庁訪れ副知事と面談

関西電力高浜原発の3号機(奥)と4号機=福井県高浜町

 関西電力の原発にたまる使用済み核燃料の福井県外搬出問題を巡り、福井県は10月5日、資源エネルギー庁の山田仁・資源エネルギー政策統括調整官と関電の水田仁副社長(原子力事業本部長)が10日に県庁を訪れ、中村保博副知事と面談すると発表した。国に再説明を求めている4項目について回答が示されるとみられる。県議会も説明を受ける方向で、年末を期限とする県外搬出問題はヤマ場を迎える。

 関電は6月、高浜原発で保管する使用済み核燃料約200トンをフランスへ搬出する計画を示し、年末を期限とする中間貯蔵施設の県外計画地点提示と「同義」と主張。関電の主張を追認した国に県や県会は反発し、再説明を求めて判断を保留している。8月には山口県上関町で中国電力と関電による中間貯蔵施設の共同開発計画が浮上したが、建設可能かどうかの現地調査が始まった段階。

⇒関電社長「フランス搬出は中間貯蔵と同等。福井県との約束果たした」 

 県が国に求めている再説明は▽関電の主張を評価する具体的な理由▽2030年ごろに2千トン規模で操業開始する県外中間貯蔵施設計画の確実な実行の担保▽使用済み核燃料の搬出先となる青森県六ケ所村の再処理工場の早期完成に政府全体として取り組む▽再処理工場が予定通り完成しない場合や処理が進まない場合の対応策―の4項目。

 10日の面談では、資源エネ庁の山田政策統括調整官が4項目について回答し、関電の水田副社長は関連する使用済み核燃料対策を説明するとみられる。

 杉本達治知事は5日、臨時県議会を10日に招集することを告示。

 杉本知事は9月定例県議会で「国からしっかりとした回答が来たときには、内容を精査した上で立地市町、県会の意見を聞いて総合的に判断したい」と述べており、嶺南の立地4市町長の意見も改めて聞くとみられる。

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