大黒摩季の歌はなぜ人々を鼓舞するのか? 鈴井貴之MCの「北海道道」で秘密を解き明かす!

NHK総合で10月13日に放送される「北海道道」(金曜午後7:30、北海道ローカル)は、「覚悟~大黒摩季 32年目の北海道ツアー~」。今年デビュー30周年ライブを完走した北海道・札幌出身の大黒摩季を特集する。7月に行われた北海道ツアーにカメラが密着し、デビューから30年余り、さまざまな人生経験をしながら、ステージに立ち続ける大黒の歌の魅力に迫る。

1年をかけて全国47都道府県、67カ所でほぼ毎週末ライブを重ねてきた大黒。1990年代にセンセーショナルなデビューを果たし、ヒット曲を連発した彼女だが、病気の発覚や活動休止など、数々の困難に襲われた。しかし、50代になった今、「一番自分の歌を届けられている」と語る。

そんな彼女のライフワークは、「ふるさと北海道へのエール」だ。この夏、岩内、湧別、大空など、これまで訪れたことのない街を中心に道内6カ所をツアーで回り、特別なパフォーマンスを繰り広げた。今回カメラは、そのツアーに臨む大黒と、会場に足を運んだオホーツクの酪農家、北海道胆振東部地震の被災者らに密着。50代になり深みを増す大黒の歌が、困難に立ち向かおうとする彼らを鼓舞し続ける秘密に迫っていく。

【大黒摩季 コメント】

私のプライベートなんて、(撮影しても)面白くも何ともありません。 世間のドキュメントは、感動的で痛みさえも奇麗でいて、そしてファンタスティック。フィクションの映画よりも胸の奥をつかまれる。だからハマるんです。そうして(そういったものこそが)ドキュメントという作品なのだと思ってきました。

なので最初は、(自分が)そもそも奇麗であり続けることなんて無理ですし、天才に憧れ続ける努力の凡人のプライベートはいつだって、世の中や音楽業界、そして運命に翻弄(ほんろう)されまくりブレまくり、理想と現実の狭間で常にもがき、幸せや夢に向かえば向かうほど傷だらけで、ハッピーエンドにはなり得ない不器用な人生、エネルギーを放った後のまるでミイラのように弱った姿をさらし、安いお涙を頂戴するのが嫌で、(今回の密着は、当初は)きっぱりお断りするつもりでした。だからこそ私にとって作品が真実であり、生きることと闘ってきた軌跡でもあるので、それを人の目を通し要約され、制限時間で希釈され、汚したくはないから。

でも、「NHKのど自慢」岩内町の現場で出会った堀口プロデューサーが、そしてその後ディレクターになった高橋ひろみちゃんが、いちずに真っすぐに、私独自の言葉が生まれるその原因&理由が知りたい、北海道を思い、駆け回る原動力を見てみたい、そして見る人にさらに勇気や元気を届けたいと熱く強く訴えられたので、その熱意に負けたという。結局は、いつも人に動かされてしまう自分が、得なのか損なのかは分かりません。ただ、この2人の熱がうれしかったんです。

なので、このドキュメントはあくまで苦労物語ではない、お客さまの笑顔という尊い喜びに向かうためのプロセスであり、すべてはいただいた拍手とその笑顔で昇華されているということ。努力や苦労は喜びに向かうための通り道であるということが伝わるのなら、子どもや自分の家族のない私はもはや、作品にしか自分の生きざまや思想を残すことができませんので、彼らの作品になれるなら本望だと思いました。

思いは、届くと本当に幸せです。夢や願いもかなうと最高の自己肯定になります。不可能を可能にするのはいつも、自分自身の意志の力なんです。そうして大きさにかかわらず願いをかなえようと頑張っている方々にとって、彼らのいうようにこの番組が勇気や希望、元気や笑顔のきっかけになっていただけたら幸せです。

Let’s SPARKLE☆大黒摩季

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