長崎くんち 「庭先回り」に3カ町繰り出す 観客沸かす舞を披露 奉納踊りは雨天順延に

庭先回りに繰り出し、店先で華麗な舞を披露する栄町の阿蘭陀万歳=長崎市浜町

 長崎くんち中日(なかび)の8日、悪天候のため奉納踊りが9日に順延された。一方、六つの踊町のうち3カ町が長崎市浜町のアーケードなどへ「庭先回り」に繰り出し、4年ぶりの祭りを懸命に盛り上げた。奉納踊りの順延は2013年以来。
 桶屋町と栄町は「長崎ぶらぶら節」などに合わせ踊りを披露し、買い物客らを沸かせた。同市桜町の会社員、花村美智子さん(40)は「久しぶりに長崎らしい秋を感じる」と話した。
 一方、庭先回りを見送った船大工町は、船の修繕や手ぬぐいを織るなどして、後日(あとび)(9日)に備えた。殿村育生自治会長(72)は「9日の奉納踊りに万全を期して臨む」と語った。
 同市元船町のお旅所には雨が降りしきる中、多くの参拝客が訪れ、周辺の露店もにぎわった。諫早市西里町の会社経営、桑原悟さん(54)は「(奉納踊りを)久しぶりに見たかったので残念。お参りして露店を楽しむ」、福岡県から訪れた口石弘君(9)は「くんちは楽しい。次は何を食べようかな」と話した。

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