福井観光やスポーツ観戦に地域通貨…「はぴコイン」使ったアイデアきらり 福井県がコンテスト、実現検討へ

デジタル地域通貨を活用した地域課題解決のアイデアが発表されたコンテスト=10月8日、福井県福井市の福井銀行本店

 11月から福井県が発行するデジタル地域通貨「ふくい はぴコイン」を活用した地域課題解決や地域活性化のアイデアコンテストが10月8日、福井市の福井銀行本店で開かれた。4個人1企業が観光や金融教育、地域スポーツ振興などに生かす案を発表。地域通貨をふるさと納税の返礼品として県外の人に付与することで来県を促し、関係人口を増やすアイデアを提案した愛知県の会社員木本菜々香さん(23)が最優秀賞に選ばれた。

 コンテストは県が主催。県内外から61件の応募があり、5件が一次審査を通過した。

 木本さんは、福井大学の学生だったときにまちおこしや地域の祭りに参加して感動した経験を基に発案。ふるさと納税の返礼品で付与した地域通貨を「きっかけコイン」とし、伝統工芸の仕事場見学や祭りに参加するために使える仕組みとした。木本さんは「県外の人に住民目線で魅力を発見してもらい、関係人口の増加につなげたい」と説明した。

 審査委員は藤丸伸和県未来創造部長、「乗り鉄」の紀行文ライターの蜂谷あす美さん(福井市出身)、岡田伸福井銀行取締役兼常務執行役ら5人が務めた。

 このほか、子どもへの金融教育に活用したり、県内のプロスポーツ観戦チケットを地域通貨で購入してスポーツ振興につなげたりする案が発表された。県は寄せられたアイデアの実現を検討していく。

⇒何に使える?福井県のデジタル地域通貨「はぴコイン」とは

 はぴコインは、ボランティア活動などをすると付与されるポイントを電子マネーとして県内のさまざまな店で使える仕組みで、県内経済や地域活動の活性化につなげる。福井新聞社と福井銀行の共同出資会社「ふくいのデジタル」が提供するスマートフォンアプリ「ふくアプリ」を通じて使う。

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