野岳湖 滞在型観光の拠点に 大村市が新装デザイン案 「遊ぶ」「泊まる」「つながる」充実 長崎県

滞在型観光拠点としてリニューアルが検討されている野岳湖エリア=大村市東野岳町

 長崎県大村市はアウトドアを生かした地域振興を進めようと、野岳湖公園(同市東野岳町)のリニューアルを検討している。デザイン案を6日に公表し、パブリックコメント(意見公募)を開始。県中央に位置し交通網が発達しながらも長年「素通りのまち」とやゆされてきた同市で、新たな滞在型観光の拠点となるのか注目される。
 野岳湖は江戸時代に捕鯨で財をなした深澤儀太夫が築いた周囲3キロの人造湖。多良岳県立自然公園内にあり、湖畔にはキャンプ場やアスレチック、広場などが整備されている。一方、キャンプ場利用者のうち宿泊者はわずか3%。施設の老朽化も進んでいる。
 市はこれまで、民間事業者に委託し「市アウトドア・グランドデザイン」を作成。▽野岳湖▽多良山系▽大村湾・史跡-3エリアの活用を検討してきた。このうち、第1次整備エリアとして野岳湖を選定。リニューアルに向けた「アウトドア・パークデザイン案」を公表した。
 デザイン案によると、同市は休日に家族で過ごせる大型レジャー施設が充実しておらず、宿泊する観光客が少ないと市民などから指摘されている。そこで、野岳湖に「遊ぶ」「泊まる」「つながる」の3要素を充実させ、九州の行楽地として選ばれる場所を目指す。
 具体的には、ロープやハーネスを使って木を登る「ツリーイング」や、滑車で谷間を渡る「ジップスライド」といったレジャー施設を導入。湖面を使ったカヤックなどの自然体験も可能にする。キャンプ場やトイレなどの既存施設は改修。ドッグランの整備やトレッキングイベントの開催なども想定する。
 いずれも現時点で導入は決定しておらず、市民から意見を募った上で再検討し、事業費などを具体化した実施計画は来年度策定する予定。デザイン案は市ホームページから見ることができる。パブリックコメントの実施は27日まで。

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