ウナギの頭でペットフード 茨城・つくばの専門店 廃棄部位活用 全国から注文届く

ウナギの頭を使ったペットフードづくりに取り組む豊嶋英之さん=つくば市竹園の「とよ長」

ウナギの捨てる部位をペットフードに-。茨城県つくば市竹園2丁目のうなぎ専門店「とよ長」が、こんな取り組みで注目を集めている。関東では食べる文化のないウナギの頭を使ったドッグフードを開発すると、全国の愛犬家から注文が届いた。第2弾のキャットフードもあり、同店代表の豊嶋英之さん(47)は「犬や猫にとっていい商品を作れた」と手応えを感じている。

豊嶋さんによると、関西や九州ではウナギの頭を別に食べたり、付けたまま焼いたりする。一方、関東では「切り落としてほとんど捨ててしまうといっても過言ではない」。同店でも従来は廃棄していたという。

そんな方針が切り替わる契機になったのが、昨年から始めた犬猫の保護活動だ。「動物が元気になれる食べ物をやりたい。栄養豊富なウナギで何かできないか」と考え、半年ほどかけてペットフードづくりを進めた。硬い骨の処理に苦労したが、蒸して柔らかくすることで克服した。

第1弾として完成した犬用の「UNA DOG」は、乾燥したビーフジャーキー風なのが特徴。店頭やネットショップで販売すると、これまで千個以上の注文があったという。第2弾で猫用の「Una Neko」は、水分補給もできるようウエットに仕上げた。ウナギの頭をかつお節であえて製造する。

いずれも無添加で、それぞれ水分を飛ばしたり真空パックにしたりして日持ちするよう工夫を凝らした。価格は「UNA DOG」が70グラム入り1273円(税別)。「Una Neko」が30グラム入り5パック2300円(同)。いずれもラベルは豊嶋さんが考案した。「犬と猫と鰻」とブランド名も付けた。

将来的には売り上げの一部を動物愛護団体に寄付したいという豊嶋さん。「大切なペットへのちょっとしたご褒美にしてほしい。不幸な犬猫も減らしたい」と意気込む。

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