棚田照らす灯籠の帯 松浦・土谷棚田で火祭り 長崎

3000個の灯籠で暗がりに浮かび上がった土谷棚田=8日午後6時26分、長崎県松浦市福島町

 日本の棚田百選の一つ、長崎県松浦市福島町の土谷棚田で8日、5年ぶりに「火祭り」があり、3千個の灯籠による光の帯が暗がりに浮かび上がった。
 伊万里湾に面した斜面地に約400枚の田んぼが広がる県北の名所。この景観を町おこしに生かそうと、2003年に地元住民が火祭りを始めた。一時期途絶えたが、12年に「ふくしまおいどんが町づくり会」(吉永浩幸会長)が復活させた。
 昨年まで台風や新型コロナウイルスの影響で中止が続いていた。今年も日中のステージイベントは雨で取りやめたが、日没間近の午後5時半から、あぜに並べた灯籠に次々と点火。辺りが暗くなるにつれ、火が棚田の輪郭を浮き立たせ、約400人の見物客や写真愛好家らを魅了した。
 14日まで6千個の発光ダイオード(LED)ライトに置き換えて点灯。日没前後から午後9時ごろまで楽しめる。

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