台湾総統「現状維持」訴え 建国記念日の最後の演説

「中華民国建国112年」を記念する双十節の祝賀式典で演説する台湾の蔡英文総統=10日、台北市内(共同)

 【台北共同】台湾は10日、「中華民国建国112年」を記念する双十節(建国記念日)祝賀式典を開催した。蔡英文総統が演説し、中台関係を巡り「一方的に現状を変更してはならない。意見の違いは平和的方式で解決しなければならない」と主張した。台湾周辺での軍事活動を活発化させ統一圧力を強める中国の習近平指導部に対し「現状維持」の重要性を訴えた。

 来年5月に退任する蔡氏にとって最後の双十節の演説。蔡氏は中台関係を念頭に「(政権発足の)2016年以来、現状を維持し、挑発せず、圧力に屈することもなかった」と振り返り、民主国家と協力して地域の平和と安定を守ったと強調した。

© 一般社団法人共同通信社