国民・玉木代表 埼玉県の〝子どものみの外出・留守番禁止条例〟に「今の現実にあてはまらない」

国民民主党の玉木雄一郎代表(54)が10日、国会内での定例会見で、子どものみの外出や留守番、登下校を「児童虐待」として禁止する埼玉県虐待禁止条例改正案に触れ「埼玉県の話ですけど、やはり全国への波及も大きいと思う。子育て中のお母さんお父さん、特にシングルのお母さんお父さんから見れば、果たしてそれは可能なのかという問題点もある」と、疑問を投げかけた。

玉木氏は、条例の改正案に「現実的なのかなということと、子どもだけで行動する、あるいは放置するということがダメだと。もちろんどこまで強い義務になっているのかということについては、よくよく精査が必要」と話した。

罰則規定がない条例改正案だが、玉木氏は「香川県でもゲーム条例というものが通りまして、その時もやっぱり同じようにスマホの見る時間であるとかゲームをする時間を一定の目安を設けて義務ではないと言いましたけど、全国に様々な波及を及ぼした例があった。埼玉県内の問題というものにとどまらず、もう少し幅広い慎重な議論を深めてもらいたい」と、地元・香川県での「ネット・ゲーム依存症対策条例」を例に挙げて全国的な影響を懸念した。

条例改正案の趣旨を、もう少し知りたいとした玉木氏は「ただそのために常に親が家にいろ、あるいは専業主婦、お母さんが家にいることを前提にしか成り立たないようなことを求めても、今の現実にあてはまらない。かつての夫が働き、奥さんは家にいて、常に子どもを見られるという状況ではない家庭が現に増えている中で、果たしてこういった条例を定めても現実的なのかどうか。そして、子どもの安全につながるのか」と指摘する。

玉木氏は「むしろ大切なのは、子どもだけで安心して通学したりお買い物に行ったり、遊んだりする安全な環境を取り戻すこと」と強調。「(条例改正案を)このまま通していいのか、多くの人が懸念を持っている。やはり、もう一段慎重な対応が必要ではないかなと思います」と述べた。

条例改正案では、保護者などに対し、小学3年以下の子どもを自宅や車などに残したまま外出したり放置することを禁止する。小4~6年の子どもについても努力義務とした。自民党埼玉県議団は、子どもたちだけで公園で遊ばせたり、登下校させることも「放置」にあたるとして、禁止すると説明している。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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