「戦争しない国に」 被爆体験の伝承者が講話、和歌山・上富田町

原爆や被爆者のことについて聞く岩田小の5、6年生(和歌山県上富田町岩田で)

 和歌山県上富田町の岩田小学校5、6年生46人はこのほど、原爆の被爆体験伝承者、峠朱美さん=広島県=から、被爆当時の出来事や、原爆の影響などについて聞いた。

 被爆体験伝承者とは、被爆者から被爆体験など受け継ぎ、次世代に伝える活動をしている。

 峠さんは、1945年8月6日に広島で爆心地から約2キロの場所で被爆した国重昌弘さん(当時14歳)に1年間密着し、受け継いだ体験を伝えた。

 「国重さんは光る物が見えた後、気を失い、気付いた時には、白い煙とみんなが倒れているのが見えた。自分の左頬がぶら下がっていた」「爆心地の地面の温度は3千~4千度になった」など、当時の様子が語られ、児童たちは真剣な表情で聞いていた。最後に、峠さんは「戦争しない国であり続けてほしいと願っている」と訴えた。

 6年生の鈴木凜果さんは「広島県に原爆が落とされたことは授業や本を読んで知っていたが、たくさんの人が被害に遭っていたということを今回の話で初めて知った。忘れてはいけないことだと思う」と話した。

 別の日には、地域住民を対象に上富田文化会館でも講話が開かれた。小学校では岩田のほか、生馬と市ノ瀬の児童も話を聞いた。

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