損保ジャパン、不正「隠蔽」 取引再開、社長提案30分で決定

損害保険ジャパンの本社ビル=9月、東京都新宿区

 損害保険ジャパンが昨年7月、中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求問題を金融庁に報告した際、重要な事実をあえて伏せたのは「隠蔽」に当たると、10日公表された社外調査委員会の中間報告書が指摘した。不正の内部告発をきっかけに停止していたビッグモーターとの取引再開が、白川儀一社長の提案により30分程度の議論で決定に至ったことも判明した。

 報告書は損保ジャパンの親会社のSOMPOホールディングスが公表した。損保ジャパンは、ビッグモーター従業員の「工場長による不正の指示があった」との告発内容が同社幹部に「不正の指示はなかった」と書き換えられたことを知りながら、金融庁に「不正の指示があったとは認定できなかった」と報告した。報告は任意だったが、調査委は「適切な報告だったとは言えず、問題を矮小化し事実を隠蔽していたとのそしりを受けてもやむを得ない」とした。

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