市川由紀乃が東京・渋谷で「市川由紀乃リサイタル 2023 –ソノサキノハジ真利-」を開催! 2時間・全21曲にわたるステージで観客を魅了

歌手の市川由紀乃が10月4日、東京・渋谷のLINE CUBE SHIBUYA「市川由紀乃リサイタル 2023 –ソノサキノハジ真利-」を開催した。

今年デビュー30周年を迎えた市川由紀乃。毎年恒例のリサイタルとなるこの日は、今年4月に発売した新譜『花わずらい』の新バージョン『花わずらい〜彩盤』の発売日で、LINE CUBE SHIBUYAには約1600名のファンが集結した。

公演に先立ち、「昨年に引き続き、LINE CUBE SHIBUYAでリサイタルを開催させていただきます。昨年は雨で、ゲリラ豪雨だったので、今年は雨じゃないことをひたすら祈ってました。(当日は雨で)私は改めて雨女だなと思いながらも、この時期にまた一年間の集大成として、ファンの皆様に歌を届けられることをすごく幸せに思っております。また今日は『花わずらい〜彩盤』、新しいバージョンの新曲の発売日ということもありますので、すごく今、緊張とワクワクとドキドキに包まれております。精一杯努めさせていただきます。よろしくお願いします。」と意気込みを語った市川。

コンサートタイトルにある「ソノサキノハジ真利」は、今年デビュー30周年を迎え、「これからが歌手人生の始まりで、ファンと一緒に新たな一歩を踏み出したい」という思い、また本名の松村真利から取って、ありのままの自分の姿を見てほしいという思いから名付けられたもの。会場ロビーには、ファンから贈られた、高さ333cmの東京タワーを模したフラワーモニュメントが飾られ、来場のファンの目を楽しませた。

コンサートは、市川がこの世に生まれた時間、午後5時55分に開演。オレンジと白の振袖姿の市川がステージに登場すると、会場からは大きな歓声が起こった。オープニングとして市川は、市川作品を数多く手がける作曲 ・幸耕平と作詞 ・石原信一の手による『命咲かせて』『心かさねて』『雪恋華』の3曲を歌唱。市川は客席に向けて挨拶と来場への感謝、本公演にかける思いを語り、師匠・市川昭介の作品から『絆坂』『海峡出船』を続けて披露、観客は色とりどりのペンライトで声援を送った。

続いて市川は、茶色の着物に衣装チェンジしてステージに再登場。<昭和・夢人情>という題で、灰田勝彦 『東京の屋根の下』美ち奴『あゝそれなのに』ビートたけし『浅草キッド』を披露。曲間の語りでは、芸人の夫を支えてお座敷に上がる妻の心情を、見事に語りながら演じた。

コーナーが終わり市川が袖に下がると、ステージのスクリーンには力強い音楽・語りとともに多数集結したデコトラの映像が流れ、<トラック野郎☆ゆき五郎>のコーナーがスタート。市川がデコトラを模した車に乗り、ピンクのトラック野郎の衣装で威勢よく登場すると、客席からは笑いと声援が。

まず菅原文太愛川欽也『一番星ブルース』を披露、MCでは「トラック野郎のゆき五郎」を演じる市川が、トラック野郎に人気の演歌とともに、寸劇やバックバンドと軽妙なやりとりを見せて客席の大きな笑いを誘った。
コーナーでは市川が「トラック野郎にとっての永遠のマドンナといえば…」と語った際に、ある来場者が「八代亜紀!」と声を上げ、偶然次に歌う曲のアーティストを当てるという一幕も。市川は「正解! 打ち合わせなしだよ!?」と思わず笑顔で応え『おんな港町』を熱唱した。

続いて白いドレスに着替えた市川は<昭和歌謡 – Exotic Mix ->と題し、近年国内外で再評価の動きを見せる歌謡曲の名曲を披露。八神純子『みずいろの雨』泰葉『フライディ・チャイナタウン』太田裕美『さらばシベリア鉄道』を、持ち前の伸びやかな歌声で披露した。
なお、この時着用したドレスは花嫁衣装として着る白の着物をこの日のためにアレンジしたもの。白と赤の2色で日本をイメージし、「さまざまな楽曲を、和の心を持って歌いつづけたい」という思いが込められたという。

その後ステージのスクリーンには、市川の感傷的な語りとともに、桜散る川の風景が映し出され、<散る愛、咲く幻>と題したオリジナル曲を披露するコーナーに。白とグレーの着物に身をつつんだ市川は、美しい語りを挟みながら、『うたかたの女』『名前』、そして最新作『花わずらい』を、コンサート当日にリリースされたピアノとのデュエットバージョンと、フルバンド演奏によるバージョンを続けた特別バージョンのアレンジで披露した。

最新曲により最高潮に達したステージはいよいよ佳境に。白・黒・赤を基調にした華やかな振袖に身を包んだ市川がステージに再登場し『あなたがそばに』を歌い、締めには市川が追求していきたいと語る「女性の奥底に眠る『情念』の世界」を表現したという2曲、『横笛物語』『秘桜』を披露。エンディングで桜吹雪が散る中、市川が涙ながらに感謝の言葉を述べると、客席からは惜しみない歓声と拍手が贈られた。
オープニングで「ありのままの自分の姿を見てほしい」また「楽しいこと、喜劇などが大好き」と語った市川。その言葉の通り、市川の「ありのまま」が存分に表現された、2時間・全21曲にわたるステージは盛況のうちに幕を閉じた。

リサイタルを迎えた市川に直撃インタビュー!

公演に際し、市川は報道陣の取材に答えた。

——舞台を彩った大きなフラワーモニュメントについて

ファンクラブの皆さんからのフラワーモニュメント。昨年もその前の年も作っていただいたのですが、今日会場に来られる方もいらっしゃいますし、今日来られないからせめて思いだけでも…ということで、この企画に賛同いただいたファンの皆様の心で作っていただきました。

——この日発売された『花わずらい〜彩盤』のピアノバージョン、そしてライブでのお披露目について

(花わずらいは)本当に色々なところで歌わせていただいた楽曲なので、自分にとってすごく大事な歌になっています。新譜のバージョンは、今日もピアノを演奏してくださっている佐藤和豊先生がアレンジしてくださっていて、CDにはピアノと歌と同時録音したものが収録されているのですが、今日はリサイタル特別バージョンです。

——リサイタルで歌った昭和歌謡について

最近、昭和歌謡が、若い人からもそうですが、海外の人からもすごく親しまれていて、(ピアノの)佐藤先生に、『和』を感じていただけるアレンジにしていただきました。楽しいですね。オリジナルからは新しくアレンジをしていただいたので、気持ちもよりノリノリというか…改めて日本の歌謡曲っていいなぁって。

——前回のリサイタルと今回の変化について

「これが自分自身、これが素のまま」。タイトルの『ソノサキノハジ真利』の“真利”は私の本名で、“市川由紀乃”という名前でお仕事はしていても、やはり“松村真利”という本来の自分を、今回のリサイタルでは素のまま出したいという気持ちです。

私自身、楽しくて面白いこと、吉本新喜劇もすごく好きで、今コロナ禍で、皆様が笑ったり声を出したりできない日々が続く中で、今回のリサイタルは皆さんの笑い声をいっぱい聴きながら過ごしたいと思っていました。

(台本などで)決められたものだけでなくて、アドリブというか、その時のお客様の反応とか、その時に自分が思ったことで、その場を繋いで進行していくようなコーナーもあるので、そこが今年のリサイタルと昨年の違いかと思います。

——市川由紀乃が考える「ソノサキ」とは

「ソノサキ」は、今40代後半に差し掛かって、その先っていうのは50代からの歌手人生なのかなと思います。
その年代、その年代でいろんな経験といろんな出会いがあって、それが全て自分の宝物になっているので、また50代に入ってから、世の中がどう変わって行ったりとか、自分の心境がどう変わっていくのかとか。
そこからまた歌える演歌があると思うので、「ソノサキ」は、今の自分が見えているのは50代からなのかなと思います。

——今回のLINE CUBE SHIBUYAはNHKの隣だが、年末について

大晦日はありがたいことに過去2度立たせていただいて、それだけでも、自分の歌手人生ではこれほどない喜びです。
またいつか立たせていただきたいという気持ちはあるので、選んでいただける歌い手になりたいという思いは常にあります。「ソノサキ」として。

デビュー30周年を迎え、圧巻のコンサートを披露しながら、さらに将来に向けてより意欲と展望を見せる市川由紀乃。市川の「ソノサキ」に、これからも注目していきたい!

セットリスト

M1. 命咲かせて
M2. 心かさねて
M3. 雪恋華
M4. 絆坂
M5. 海峡出船

<昭和・夢人情>
M6. 東京の屋根の下(灰田勝彦)
M7. あゝそれなのに(美ち奴)
M8. 浅草キッド(ビートたけし)

<トラック野郎☆ゆき五郎>
M9. 一番星ブルース(菅原文太・愛川欽也)
M10. 北の漁場(北島三郎)
M11. みちのくひとり旅(山本譲二)
M12. おんな港町(八代亜紀)

<昭和歌謡 – Exotic Mix ->
M13. みずいろの雨(八神純子)
M14. フライディ・チャイナタウン(泰葉)
M15. さらばシベリア鉄道(太田裕美)

<散る愛、咲く幻>
M16. うたかたの女
M17. 名前
M18. 花わずらいピアノver.〜花わずらい

M19. あなたがそばに
M20. 横笛物語
M21. 秘桜

市川由紀乃『花わずらい~彩(いろどり)盤』

発売中

品番:KIZM-783~4
価格:¥1,800(税込)

【収録内容】

CD
1.花わずらい(作詞:松井五郎/作曲:幸 耕平/編曲:佐藤和豊)
2.名前(作詞:松井五郎/作曲:幸耕平/編曲:佐藤和豊)
3.花わずらい(ピアノ・バージョン)

DVD
1.花わずらい(ミュージック・ビデオ)
2.花わずらい~彩(いろどり)盤(ミュージック・ビデオ)
3.特典映像

市川由紀乃『唄女V〜ソノサキへ』

2023年11月8日(水)発売

品番:KICX-1178
定価:¥3,300 (税抜¥3,000)

【収録内容】

津軽恋女/命あたえて/みだれ髪/おんな港町/シルエット・ロマンス/どうぞこのまま/for you・・・/亜麻色の髪の乙女
他 全12曲収録(曲順未定)

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