「年を取って長い闘いになるのはつらい」「判決を真摯に受け止めて」。原告128人全員を水俣病と認めた大阪地裁判決に、賠償を命じられた国と熊本県が控訴する方針が明らかになった10日、各地の原告団からは失望の声が上がった。
「裁判で争点や証拠は出尽くした。判決を真摯に受け止めるべきだ」。来年3月に判決を迎える熊本訴訟原告団長の森正直さん(72)は指摘する。熊本訴訟の原告団のうち既に200人以上が亡くなったとして「控訴は、原告が死ぬのを待つようなやり方に見える。水俣病問題完全解決の方向に進んでほしい」と訴えた。