「女性の地位向上へ努力」 経済学賞のゴールディン氏

米マサチューセッツ州のハーバード大で記者会見するクラウディア・ゴールディン同大教授=9日(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】2023年のノーベル経済学賞の受賞が決まった米ハーバード大教授のクラウディア・ゴールディン氏は9日、米東部マサチューセッツ州の同大で会見し「経済学における女性の地位向上のために努力してきた」と述べた。

 受賞決定について「とても光栄です」と喜びを語り、関係者に謝意を示した。経済学の分野で活躍する女性が増えることの重要性を指摘し、「女性とともに仕事ができるというのが一番の恩恵だった」と自身の研究への意義を語った。

 ゴールディン氏は16年の論文で、日本の高齢化と低い出生率に言及。出生率を上げるには、職場と社会の変革を伴うと指摘していた。

 論文では、出生率が低い中で、日本が特に女性の労働参加の拡大により、高齢化社会に対応しているとも分析。一方で、社会通念を変え、男性も子育てや家事労働により関われるようにすることが女性の労働参加や出生率に反映すると説明した。

 ゴールディン氏は「教えることなしに研究をすることはできない」と教職を続けることがノーベル賞につながったとも強調した。

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