腐食で排水ポンプに穴…作業員死亡は静岡市の責任 難波喬司市長が謝罪 3,250万円の賠償金支払い

2022年9月、台風15号で停電した排水処理施設で男性が死亡した事故をめぐり、静岡市は責任を認め、遺族側に約3,250万円の賠償金を支払うと発表しました。

【写真を見る】腐食で排水ポンプに穴…作業員死亡は静岡市の責任 難波喬司市長が謝罪 3,250万円の賠償金支払い

<難波喬司静岡市長>
「静岡市の施設に不備があり、亡くなった方に大変申し訳なく思います」

緊急の記者会見で深々と頭を下げた静岡市の難波市長。男性作業員が市の施設で死亡した事故の責任を認めました。

<伊豆川洋輔記者>
「2022年、静岡市葵区平野で事故はありました。市の依頼を受け、作業に当たっていた男性が死亡しました」

この事故は2022年9月24日、静岡市葵区平野にある排水処理施設の地下室で管理を委託されていた70代の男性作業員が水に浮かんだ状態で見つかり、死亡したものです。

当時、この施設は台風15号で停電し、自家発電機を使った非常用ポンプで排水処理をしていて、男性は市からの依頼を受けて燃料を補充していました。

市の説明によりますと、この施設の非常用ポンプのマフラーには、腐食によって穴が開いていました。ここから漏れ出した一酸化炭素が地下室に充満、男性は一酸化炭素中毒で倒れた際に部屋にたまった水に顔が浸かり、溺死したということです。

<難波喬司静岡市長>
「マフラーの腐食については(点検の)項目として書かれておりません」

難波市長は、市が施設の維持管理を怠ったとして、男性の遺族2人に対し、賠償金あわせて3,250万円あまりを支払うことで合意し、議案を9月定例会に上程すると発表しました。

静岡市は、市内にある同様の排水処理施設11のうち、5か所でポンプの腐食を確認していて、今後は業者による点検の項目を増やすなど再発防止に努めるとしています。

© 静岡放送株式会社