スギ全店を免税店に 北陸63店、訪日客対応を強化

訪日客に人気の商品を集めた売り場。免税対応店舗が拡大している=金沢市内のドラッグストア

 訪日客の増加を受け、北陸の小売店が外国人対応を強化している。ドラッグストアを展開するスギホールディングス(HD、愛知県大府市)は今月から、北陸三県の全店舗を免税対応に変えた。外国語表記を増やしたり、訪日客向けの品ぞろえを強化したりする店舗も出てきた。

 スギHDによると、今月5日から、北陸三県の11店舗で行っていた免税対応を全63店舗に拡大した。

 これまでは金沢駅周辺などが中心だったが、訪日客の増加を受け、郊外店舗でも対応することを決めた。店内で免税手続きが可能になる。

 スギHDは営業エリア全域で免税対応の店舗を増やしている。全店舗を免税対応とするのは北陸が初めてで、今後、土産物や化粧品といった品ぞろえの見直しも検討する。担当者は「金沢を中心に訪日客が戻っている。いち早く対応することで、ニーズを取り込みたい」と話した。

  ●外国人宿泊者48万人に急増

 北陸信越運輸局の宿泊旅行統計調査によると、今年1~7月の石川県内の延べ外国人宿泊者数は、前年同期の9500人から48万8千人に急増している。

 訪日客の増加を受け、各店舗も対応を進める。

 金沢エムザ(金沢市)は、館内の外国語表記や小型翻訳機を増やした。香林坊大和(同市)では、高級ブランド品や化粧品の人気が高く、品ぞろえを強化している。

 ドラッグストアを展開するウエルシアホールディングス(東京)は石川で今後、免税販売店を4店舗から9店舗に拡大する予定だ。

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