イスラエル「総攻撃」宣言 双方死者、計2100人超に

イスラエルのガラント国防相=9月、ベルリン(ゲッティ=共同)

 【エルサレム、カイロ共同】イスラエルのガラント国防相は10日、イスラム組織ハマスが侵入したイスラエル領内の支配を取り戻したと表明し、今後イスラエル軍は「総攻撃に向かう」と宣言した。イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザに対する空爆でハマス政治部門の幹部ら2人を殺害したと発表。ハマスはイスラエル中部アシュケロンに多数のロケット弾を撃ち込み、応酬が激化している。死者の合計は2100人以上となった。

 バイデン米大統領は10日の演説で、イスラエルには「対抗する権利と義務がある」と述べ、武器供与などの支援を加速する考えを表明。米中央軍は原子力空母を中核とする空母打撃群が東地中海に到着したと発表した。

 ハマスは10日、レバノン南部からイスラエル側にロケット弾攻撃を行ったと明らかにした。イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラは同日、両国国境付近で誘導ミサイル弾などにより交戦した。両者の衝突は3日連続で、国境で緊張が続いている。

イスラエルによる空爆で破壊された建物のがれきの中から救助される少女=10日、パレスチナ自治区ガザ(AP=共同)
戦闘でイスラエル軍兵士だった家族を亡くし、悲嘆に暮れる人々=10日、イスラエル中部(ゲッティ=共同)

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