富山県内クマ出没10月53件 前年同月の2倍超に

ツキノワグマの出没対策を話し合った緊急会議=10日午後2時5分ごろ、県民会館

 10日のツキノワグマ緊急対策会議は富山県民会館で開かれ、関係機関が情報を共有した。県の担当者が、10月1~9日の県内のクマ出没件数(目撃と痕跡)は53件で、昨年10月全体の22件を大きく上回っていると報告。「平野部での遭遇を警戒し、クマが出没しやすい朝夕は不要不急の外出を控えてほしい」と呼びかけた。

 県内では10日もクマの出没情報が相次ぎ、富山市で痕跡が4件、南砺市で目撃が2件あった。会議で県自然保護課は、今年の出没件数の多さに触れ「10月だけで200件に達する可能性もある」と指摘した。

 クマの生態に詳しい県自然博物園「ねいの里」の間宮寿頼館長補佐は「カキの実などの誘引物を取り除き、クマが身を隠しやすい草木を刈り取ってもらいたい。野外では複数人で行動することも大切だ」と話した。

 10、11月は冬眠を控えたクマが餌を求めて活発に活動する時期。今年は山中のドングリの実り具合が悪く、クマの平野部に出没する危険性が高まっている。

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