WRC初開催、セントラル・ヨーロッパのエントリーリスト発表。王座争いはロバンペラとエバンスの一騎打ち

 10月26~29日に行われるWRC世界ラリー選手権第12戦『セントラル・ヨーロピアン・ラリー(CER)』のエントリーリストが発表され、のべ68台の出走が明らかになった。今回が初開催となるCERはドイツ、オーストリア、チェコの3カ国にまたがって開催されるラリーであり、これはWRC史上初の試みとなる。

 同イベントに向け、前戦チリでマニュファクチャラーズタイトル獲得を決めたTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)からは計4台のトヨタGRヤリス・ラリー1が出場。ドライバー/コドライバー選手権においては残り2戦でポイントリーダーであるカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組と、同ペアに食らいつくエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組の一騎打ちとなる。

 トヨタの3台目のGRヤリス・ラリー1には通算8度のWRCチャンピオンであるセバスチャン・オジエが搭乗する。このためチリでシーズン5度目のワークス参戦となった勝田貴元は、今回は非ワークスノミネートの4台目のGRヤリスをドライブすることとなる。

 3年ぶりのマニュファクチャラーズタイトル奪還を目指したヒョンデ・シェル・モビスWRTは、“エース”のティエリー・ヌービルと僚友のエサペッカ・ラッピがヒョンデi20 Nラリー1で先陣を切り、前戦チリでラリー1での初表彰台まであと一歩のところまで迫ったテーム・スニネンもラリー1でのアスファルト・デビューを果たす。

 Mスポーツ・フォードWRTからはオット・タナク、ピエール‐ルイ・ルーベのレギュラー陣とともに、チリでラリー1デビューを飾ったグレゴワール・ミュンスターがふたたび登場。この3名がそれぞれフォード・プーマ・ラリー1を駆って参戦する。なお、2024年からヒョンデに再加入することが発表されたタナクにとっては、今回のCERが英国チームからスタートする最後のヨーロッパ地域でのラリーとなる。

 WRC2クラスに目を移すと、CERはタイトル争いの主役たちが勝利をかけて“直接対決”を繰り広げる一戦となりそうだ。アンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2)やヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)、ガス・グリーンスミス(シュコダ)、ニコライ・グリアジン(シュコダ)、カエタン・カエタノビッチ(シュコダ)といったランキング上位勢が揃って参戦を表明している。

■2023年WRC世界ラリー選手権第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー エントリーリスト(RC1クラス/10月6日付)

No. Team Car Driver&Co-Driver Eligibility

69 TOYOTA GAZOO Racing WRT トヨタGRヤリス・ラリー1 カッレ・ロバンペラ
ヨンネ・ハルットゥネン M

33 TOYOTA GAZOO Racing WRT トヨタGRヤリス・ラリー1 エルフィン・エバンス
スコット・マーティン M

11 ヒョンデ・シェル・モビスWRT ヒョンデi20 Nラリー1 ティエリー・ヌービル
マルティン・ウィダグ M

8 Mスポーツ・フォードWRT フォード・プーマ・ラリー1 オット・タナク
マルティン・ヤルヴェオヤ M

17 TOYOTA GAZOO Racing WRT トヨタGRヤリス・ラリー1 セバスチャン・オジエ
ヴァンサン・ランデ M

4 ヒョンデ・シェル・モビスWRT ヒョンデi20 Nラリー1 エサペッカ・ラッピ
ヤンネ・フェルム M

18 TOYOTA GAZOO Racing WRT トヨタGRヤリス・ラリー1 勝田貴元
アーロン・ジョンストン ‐

3 ヒョンデ・シェル・モビスWRT ヒョンデi20 Nラリー1 テーム・スニネン
ミッコ・マルックラ M

7 Mスポーツ・フォードWRT フォード・プーマ・ラリー1 ピエール-ルイ・ルーベ
ニコラス・ギルソウル M

13 Mスポーツ・フォードWRT フォード・プーマ・ラリー1 グレゴワール・ミュンスター
ルイス・ルーカ ‐

217ポイントでドライバー選手権首位に立っている“現王者”カッレ・ロバンペラ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)
23歳の“現王者”ロバンペラから31ポイント差のランキング2位(186ポイント)につけているエルフィン・エバンス(TOYOTA GAZOO Racing WRT) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ

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