床が抜け6人負傷の事故から2年 東条湖おもちゃ王国、今も立体迷路の休止続く 兵庫・加東

事故のあった「からくり迷宮のお城」=2021年10月、加東市黒谷

 兵庫県加東市黒谷の遊園地「東条湖おもちゃ王国」で立体迷路施設の床が抜け落ち、利用客6人が重軽傷を負った事故は、10日で発生から2年となった。立体迷路は事故直後から休止状態のままで、兵庫県警の捜査や、消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)による調査が続いている。

 事故は2021年10月10日、木造5階建て迷路で3階の床の一部が抜け落ち、客7人が約2.4メートル下の2階に転落した。うち6人が負傷した。

 消費者事故調は今年4月、原因として、床板を支える梁(はり)が腐っていたと指摘する調査経過報告書を発表。腐朽が発生した理由をさらに調べる考えを示した。また、屋根などがない木造立体迷路は建築基準法の適用外とされていることから管理や設計の在り方についても検討する方針を掲げ、本年度中にも調査結果をまとめることを目指しているという。

 一方、県警は業務上過失傷害容疑で、事故原因や事故が予見できた可能性などを調べている。

 東条湖おもちゃ王国によると、立体迷路は現在休止している。今後については、捜査や被害者への対応が続いていることから「現時点でお答えできることはない」としている。事故後の安全強化策としては、年2回のメーカー点検を全アトラクションで行い、日常点検を担うスタッフの意識向上を図っているという。

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