長崎くんち閉幕 勇壮「お上り」 全力疾走に観衆沸く

お旅所から諏訪神社に戻る「お上り」で、多くの観衆が見守る中、坂を勢いよく駆け上がる3基のみこし=長崎市、旧県庁坂

 諏訪神社(長崎市上西山町)の秋の大祭、長崎くんちは「後日(あとび)」の9日、お旅所(元船町)から諏訪、住吉、森崎のみこし3基を同神社へ戻す「お上り」があり、3日間の幕を閉じた。
 踊町6カ町は同日午前8時から、お旅所を皮切りに演(だ)し物を披露。悪天候の影響で順延した「中日(なかび)」の中央公園(賑町)と八坂神社(鍛冶屋町)を含む計4場所で奉納踊りを繰り広げた。
 お上りは、神輿守町(みこしもりちょう)の「十善寺地区神輿守奉賛会」が午後1時、みこしを担いでお旅所を出発。全力疾走する「もりこみ」を見ようと県庁舎跡地前で待ち構えていた本石灰町の自営業、徳永真理子さん(76)は「迫力があり感激した。くんちがない間はさみしかったが、待ってましたという感じ。3日間で奉納踊りもおみこしも見ることができた」と満喫した様子だった。
 みこしはその後、市中心部を通り、午後3時半すぎに諏訪神社へ到着。長坂を上り終えた担ぎ手の𠮷野源次郎さん(54)は「担げる幸せを感じながら大事な役目を務め、最後のもりこみまでしっかりやりきれた」、同神社の常任総代で、同奉賛会の河原廣行会長(74)は「長坂のもりこみは近年まれに見る仕上がりだった。3年間の大役を終えたという満足感がある」と話した。
 桟敷席や沿道に多くの観衆が詰めかけ、まちが笑顔に包まれた4年ぶりの長崎くんち。同神社によると、お上りを終えて吉村政德宮司は「氏子の喜びをこの目で確認することができ、喜びと感謝の気持ちでいっぱい」と総代に伝えたという。

© 株式会社長崎新聞社