iDeCoの積み立て期間満了後、資産を最大限受け取る方法とは!?【ほったらかしで3000万円貯める!お金と投資の超入門】

老後にどうやって受け取るの?iDeCoの〝出口戦略〟

iDeCoの加入はこれまで60歳までとされてきましたが、2022年10月以降は国民年金の加入者なら65歳まで継続できるようになります。会社員として働く第2号被保険者は、その身分で働き続ける限りは国民年金にも加入していることになり、iDeCoの積み立ても65歳まで継続できることになります。ただ、自営業者やフリーランス、専業主婦は原則60歳で国民年金の加入者の身分を失うので、iDeCoも60歳までとなります(任意加入者を除く)。

積み立て期間を満了したあとの四つの選択肢

積み立てできる期間が終わったときに、取り得る選択肢は四つあります。

①年金として分割して受け取る
②一時金としてまとめて受け取る
③年金と一時金を組み合わせて受け取る
④受け取らずに運用を続ける

①〜③はどれを選ぶかによって、税金のかかり方が変わってくるので、手取り額にダイレクトに影響します。④の場合は、運用資産が増減しますし、受け取り時にあらためて①〜③を選ぶ必要があります。iDeCoで積み立てた資産を受け取る際には原則として全額が課税対象となりますが、税制優遇を受けることができます。

①年金として受け取る場合は「公的年金等控除」の対象となり、②一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります。どちらを選べば課税されずに受け取れるか、あるいは課税額を少なくできるかを検討しましょう。口座を持つ銀行や証券会社のコールセンターで、目安を確認することができます。一般的に、20年以上加入している場合は、退職所得控除の枠が大きくなります。たとえば30
年以上加入していれば、1500万円までは無税で受け取れます。

ただし、退職所得控除はiDeCoの受け取りだけでなく、勤務先から出る退職金と同じ枠になります。退職金の額が大きい場合は退職所得控除をはみ出してしまい、課税される可能性もあります。とはいえ、はみ出したぶんを2分の1にして税率を掛けるので、税額は軽減されます。また、自営業者やフリーランスは掛金の上限額が大きく、上限いっぱいで長く加入しているとiDeCoの資産が相当大きく育っていることも考えられます。

退職金がなく、公的資金も少ない自営業者やフリーランスの場合は、退職所得控除の枠いっぱいまで一時金で受け取り、年齢や期間を考慮して残りを年金として受け取るという方法をとることで、課税されずに済む場合もあります。2021年8月末の時点では、給付を受ける際は、一時金としてまとめて受け取っても、年金として分割しても、1回受け取るたびに440円の給付手数料がかかるので、分割すると手数料負担が大きくなります。

また、同時期に公的年金を受け取る場合は、それで公的年金等控除を使い切ってしまう場合もあり、控除を受けられない場合もあります。あなたがどう受け取ると最も有利になるかは、加入期間やiDeCoの資産額、勤め先からの退職金の額や公的年金の額によっても大きく変わるので、一概にいえません。ただし、一般的には一時金で全額を受け取るのが最も税額が少なく済むことが多く、その次に一時金と年金の併用が有利で、年金での受給が最も不利になります。しかし、すべての人にそれがあてはまるわけではありません。

また、浪費家タイプの人は多少不利でも、一時金で受け取るより年金のほうがいいかもしれません。住宅ローンが残っていて退職時にスッキリしたいという場合は、一時金で受け取って完済するという手もあります。なお、毎年、税制改正が行なわれるので、若い人にとっては税制が現在とは変わっているかもしれません。あなたが若いなら、今はこのぐらいの知識を持ったうえで漠然と考えておき、退職が近くなったら具体的な比較検討に入るのがいいでしょう。勤め先に退職金の額や受けられる退職所得控除の額を確認し、ねんきん定期便などで受給できる公的年金の額を把握し、あらためて検討するのがおすすめです。

【出典】『ほったらかしで3000万円貯める! お金と投資の超入門』
監修:坂本綾子/ファイナンシャルプランナー(日本FP 協会認定CFP Ⓡ) 日本文芸社刊

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監修:坂本綾子/ファイナンシャルプランナー(日本FP 協会認定CFP Ⓡ)

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