神戸5人殺傷、無罪確定 心神喪失、検察が上告断念

5人殺傷事件があった現場周辺=2017年7月、神戸市北区

 神戸市北区で2017年、祖父母や近隣住民ら5人を殺傷したとして殺人や殺人未遂などの罪に問われ、一審に続き大阪高裁で無罪を言い渡された被告の男性(32)について、大阪高検が期限までに上告しなかったことが11日、高裁への取材で分かった。心神喪失状態だった疑いがあるとして刑事責任能力を否定した判決が確定した。上告期限は10日だった。

 高裁判決は一審神戸地裁と同様、男性が周囲の人に関し、人間と同じ外見だが自我や意識を持たない「哲学的ゾンビ」とする妄想を信じ、正常な精神作用が機能していない状態で犯行に及んだと指摘した。

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