長崎・住吉まつり 4年ぶり開催 30の演し物、300人が熱演 コッコデショは担ぎ手不足で断念

長崎大龍踊部の龍踊を楽しむ観客=長崎市住吉町、住吉中央公園

 長崎市住吉地区一帯で8、9日、住吉まつり(長崎住吉中園商店街振興組合など主催)が、新型コロナ禍を乗り越え4年ぶりにあった。悪天候の中、約30の演(だ)し物を約300人が熱演。一方で、呼び物の「住吉コッコデショ(太鼓山)」は担ぎ手不足から披露を断念。訪れた人からは寂しがる声が聞かれた。
 住吉まつりは、地域に根差した市民参加型イベントとして同組合が毎年開いている。今回は地域の幼稚園児、小中学生、大学生らが吹奏楽演奏やチアリーディングなどを発表。長崎大龍踊部19人の熱演に観客から「モッテコーイ」と歓声が上がった。13の露店も並び、住民はお祭りムードを楽しんだ。
 今回断念した住吉コッコデショは1995年、同組合青年部が住吉まつりをさらに盛り上げようと始めた。3年ごとに男衆約50人が太鼓山を担ぎ、商店街を練り歩いてきた。新型コロナの流行などで2017年を最後に中断。今年は6年ぶりに復活させようと、4月から参加者を募集。采振(さいふり)などを務める小学生は確保できたが、44人必要な担ぎ手は30人弱しか集まらなかった。
 住吉コッコデショの生みの親の一人で、現在総指揮者を務める山口義和さん(62)は、新型コロナに集団感染しないよう、ワクチンを3回接種した人を対象にしたことも、参加者が集まらなかった要因の一つと分析。「来年こそは必ずやりたい。まず担ぎ手を確保しないと」と話す一方「6年のブランクがあって途絶えるのでは」と焦りも口にした。
 同市滑石6丁目の無職、竹下芙美さん(82)は「諏訪神社のくんちもいいけど、地元のくんちも地域の人が集まって楽しい。でも、住吉コッコデショは見たかったから残念」と話した。

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