香りや味わいの良さで全国に知られる丹波篠山市産マツタケの初競りが11日朝、「丹波篠山市場」(兵庫県丹波篠山市郡家)であった。例年より10日から2週間ほど遅く、2018年の同市場開場以来最も遅い。地元老舗料理旅館「近又」(同市二階町)が3本93万円(キロ単価約470万円)のご祝儀価格で落札した。
今年は厳しい残暑が長引き、まとまった雨が少なかったため、平年より収穫が遅れたという。
競りにかけられたのは市中部の山で採れたマツタケ3本計198グラム。一番大きなもので長さ約11センチ、かさの直径約5.5センチ。競り人の井関智晴さんは「虫食いもなく初物にしては上等」と話す。
午前8時前、競りが始まり、5万円からどんどん値が上がっていった。80万円を超えたくらいから、およそ1万円刻みで金額が上乗せされ、近又が6年連続で競り落とした。
近又の清水龍二料理長(32)は「競り落とせて良かった」と安堵の表情。「香りが良いので、土瓶蒸しや焼きマツタケに調理して提供したい」と語った。 (谷口夏乃)