日本の書展・岡山県の書展が開幕 奥深い墨の世界 天満屋葦川会館

わが国を代表する書家たちの優品に見入るファンら

 現代書壇を代表する巨匠から郷土の気鋭までの新作が集う「第51回日本の書展・第44回岡山県の書展」(山陽新聞社など主催)が11日、岡山市北区表町、天満屋岡山店6階葦川(いせん)会館で始まった。初日から書道ファンが訪れ、奥深い墨の世界に浸っていた。16日まで。

 「日本の書展」には、日本芸術院会員の漢字書家高木聖雨さん(総社市出身)ら126人が出品。「岡山県の書展」は、郷土の書壇の指導者ら221人による「県書壇秀作展」と次代を担う中堅や若手196人の「県書壇選抜展」の2部で構成される。

 会場には華麗な筆さばきのかなや、重厚な線が余白と響き合う漢字、読みやすさを工夫した漢字かな交じりの調和体など多彩な作品が会派の枠を超えて並び、入場者は1点1点に見入っていた。女性(72)=岡山市北区=は「長年の努力で磨かれたセンスが伝わってくるようで、うっとりします」と話した。

 開幕に先立ち開会式があり、松田正己山陽新聞社社長、草野曽舟県書道連盟会長代行、片山純一全国書美術振興会事務局長が「最高峰の作品に触れてもらうことで、書美術への理解を深めていただきたい」などとあいさつ。主催者ら5人でテープカットした。

 14日から一部展示替え。初日と14、15日は県内の書家による揮毫(きごう)や列品解説がある。

テープカットして開幕を祝う主催者ら

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