おなじみ「食卓塩100g」、発売72年目にしてデザインが評価される グッドデザイン賞「ロングライフ―」受賞

デザインが優れた物事に贈られる「2023年度グッドデザイン賞」が5日に発表され、「食卓塩100g」(公益財団法人塩事業センター)が発売72年目で「ロングライフデザイン賞」を受賞。審査委員からは長年変わらないデザインの「正当性、また機能的な完成度の高さ」が評価された。

トレードマークの赤いキャップに、誰もがひと目で「塩」とわかるシンプルなデザイン。長年日本を支えてきた“食卓のおとも”に勲章が与えられた。

同商品は第2次世界大戦中に製造・販売が中止されていた、手頃なサイズのさらさらした塩を求める声に応えて、1952年に日本専売公社(当時)から発売。69年、塩の結晶の側面をデフォルメしたアイキャッチャーをびんに直接印刷したデザインにリニューアル。それ以後、50年以上にわたって大きな変更をせずにデザインを維持している。

今回受賞した「ロングライフ―」は、これから生まれるデザインの手本となりうる、時代を超えてスタンダードであり続ける商品などに与えられる賞。これからも変わらずに存在し続けてほしいデザインと、そのデザインを生み出した人々を顕彰することを目的としている。

審査委員は「現在の瓶入りの形態になってからも既に70年以上の年月を数え、その間に幾度かの軽微なデザイン変更を重ねているが、当初からのデザインのありさまが尊重され、家庭用の食塩としてのアイコン性が守られ続けている」と指摘。「これほどの長い期間、デザイン形状が大きく変わらず生き続ける製品は稀であり、そのデザインの正当性、また機能的な完成度の高さを示している」と食卓の一員として日本の家庭を支え続けるデザインが高く評価された。

公益財団法人塩事業センターの担当者によれば、同商品がデザインを評価されて賞を受賞するのは「第18回 ガラスびんアワード2022」(主催・日本ガラスびん協会)において「特別賞」を受賞して以来、2度目。受賞に際して「今後とも、長年にわたってご愛顧いただけるような塩商品の提供を続けて参ります」とコメントした。

(よろず~ニュース・藤丸 紘生)

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