「最強地区」が屈辱のプレーオフ全敗 1990年以来33年ぶりの珍事

日本時間10月11日、オリオールズがレンジャーズに敗れ、3連敗で地区シリーズ敗退が決定した。ア・リーグ東地区からはオリオールズ、レイズ、ブルージェイズの3チームがプレーオフに出場したが、ワイルドカード・シリーズでレイズはレンジャーズに2連敗、ブルージェイズはツインズに2連敗を喫して敗退。3チーム合計で7試合を戦って1つも勝てなかった。ア・リーグ東地区のチームがプレーオフで1勝もできなかったのは、ワイルドカードを含むプレーオフが始まった1995年以降で初めてのことである。

今季のア・リーグ東地区は一時、全5チームが貯金を持つなど「メジャー最強の地区」として話題になった。最終的に最下位のレッドソックスは借金6でシーズンを終えたが、5チーム合計の勝率は.554という高水準。これは5チーム以上の地区としては、昨季ア・リーグ東地区が記録した.541を上回る歴代最高勝率だった。オリオールズがリーグ最多の101勝を挙げ、レイズは同2位の99勝。西地区のアストロズとレンジャーズが90勝で同3位タイに並び、ブルージェイズは同5位の89勝を挙げた。

ところが、プレーオフに入ると、レイズとブルージェイズは0勝2敗、オリオールズは0勝3敗で敗退。ア・リーグ東地区のチームがプレーオフで1勝もできなかったのは、1990年のリーグ優勝決定シリーズでレッドソックスがアスレチックスにスイープ(0勝4敗)されたとき以来のことである(当時のプレーオフはリーグ優勝決定シリーズから始まった)。なお、「ESPN」によると、同じ年のプレーオフで1つの地区が残した成績としては、0勝7敗は1969年の地区制導入後でワーストだという。

プレーオフのような短期決戦は、そのときの勢いやチームの状態に勝敗が大きく左右されるため、全敗したからといって「地区のレベルが低い」といった単純な議論にはならない。むしろ、歴代最高勝率の地区が全敗を喫したことで、短期決戦の難しさが改めて浮き彫りになったと言える。

ア・リーグの地区シリーズのもう1つのカードでは、アストロズがツインズを相手に2勝1敗とリード。リーグ優勝決定シリーズは西地区同士の対戦となるのだろうか、それとも中地区のツインズが意地を見せるのだろうか。

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