日本オープンにも記録的猛暑の影響 戸張捷氏「グリーンキーパーは夜も寝られず…」

14番のグリーンをチェックする中島啓太と石川遼。選手たちは速やかなチェックを求められた(撮影/亀山修)

◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 事前(11日)◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪)◇7315yd(パー70)

記録的猛暑とされたこの夏の“異常気象”の影響は、秋の「日本オープン」にも色濃く残っている。ティイングエリア、フェアウェイ、ラフといった部分は主催する日本ゴルフ協会(JGA)の狙い通りの仕上がりとなった一方、夏の間にベント芝のグリーンが受けたダメージは甚大だった。会見に臨んだコースセッティングコミッティチェアマンの山中博史氏は「残念ながら、完ぺきな状態ではないことを認めざるを得ない」と話した。

前年大会最終日に13.5フィートだったスティンプメーターは9フィート強に、硬さを示すコンパクションも23→20と「硬くて速い」ナショナルオープンならではのグリーンにはほど遠いコンデイション。ゼネラルプロデューサーの戸張捷氏は「グリーンキーパーは夜も寝られないと話すほど悩んでいて…」と明かす。

特に3番と14番のパー3、18番(パー5)の状態が良くない。ほかのホールと同じ刈り高では耐えられないため、ローラーをかけて均一のスピード感に近づけている状況。3番と14番は9日(月)、10日(火)のプロアマ戦で使用することもできなかった。開幕前日の練習ラウンドで“初見”の選手がほとんど。14番は181ydと141ydのティを使い分ける予定だが、練習は1球のみ、アプローチとパッティングの確認にも制限をかけた。

グリーンを軽くたたき、芝の目地を消すローラーで連日必死の作業が続く。戸張氏は「目地でボールが跳ねることはなくなった。日本オープンとして“そこそこ”耐えうるグリーンコンディション、表面の硬さになってきた」と説明。大会を通して好天に恵まれる予報もあり、開幕前の計測でレーディング「77.6」だった難コースの本領発揮に期待を込めた。(大阪府茨木市/亀山泰宏)

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