アジアパラ日本代表が合宿 和歌山県田辺、支援学校生と交流も

 22~28日に中国の杭州で開かれる杭州アジアパラ競技大会の陸上競技に出場する日本代表選手の事前合宿が10日、和歌山県田辺市上の山1丁目の田辺スポーツパークで始まった。12日まで。10日は南紀はまゆう支援学校(上富田町岩田)高等部の生徒30人が選手と交流した。

 田辺スポーツパークは、パラリンピック陸上競技のトップ選手が練習する「ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設」に指定されている。

 今回訪れたのは、日本パラ陸上競技連盟(JPA)の選手11人とスタッフら11人。パラ陸上選手による田辺スポーツパークでの同規模の合宿は、2018年以来5年ぶり。16年のリオパラリンピックの女子400メートル銅メダルの辻沙絵選手(28)、女子の短距離走や跳躍でパラ五輪3大会連続出場の高桑早生選手(31)らが練習に励んでいる。

 南紀はまゆう支援学校の高校生は、陸上競技場でパラ陸上の合宿を見学し、選手の話を聞くなどして交流した。車いす陸上の豊田響心選手(17)には「どうやってトラックを曲がっていますか」「憧れの選手は」など、同じ高校生のアスリートに次々と質問。豊田選手は「同じ競技で和歌山県出身の生馬(知季)選手に憧れてこの競技を始めた」「風を切って走るところが一番楽しい」などと答えた。

 他に生徒たちは、円盤投げや、やり投げの代わりにジャベリックボール投げを体験した。最後にパラ選手とのリレー対決があり、豊田選手と、男子走り幅跳びの視覚障害クラスで来年パリで開かれるパラリンピックに出場する石山大輝選手(23)が生徒たちを次々と抜いていき、驚きの声が上がった。

 南紀はまゆう支援学校高等部3年の小山志織さん(17)は「豊田選手の話を聞いて、毎日練習していることがすごいと思った。メンタルの強さを見習いたい」と話した。

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