送金障害、影響506万件 生活に支障、12日正常化目指す

全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が入る全国銀行協会のビル=11日午後、東京都千代田区

 三菱UFJ銀行など全国11の金融機関で起きた送金障害で、システムを運営する全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は11日、同日中の復旧は不可能との認識を示し、障害は発生から2日間に及んだ。振り込み遅延により市民生活に支障を来した。12日午前8時半の復旧を目指す。

 11の金融機関が他行に振り込んだ255万件に、他行から振り込みを受け付けた251万件を足すと、処理に遅れが発生した総件数は506万件に上った。他行宛て送金255万件のうち87万件は11日午後4時半時点で処理が完了しなかった。

 全銀ネットによると、全国銀行データ通信システム(全銀システム)と金融機関をつなぐ「中継コンピューター」のソフトウエアで不具合が発生した。プログラムを更新し、正常化を試みる。

 復旧作業は難航し、一部の自治体では児童手当の入金が遅れた。生命保険や損害保険会社でも保険金の支払いに遅れが生じた。

 愛知県豊橋市では障害が発生した10日に児童手当が振り込まれる予定だった2万5千世帯のうち1万8千世帯に遅れが生じた。

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