「動くセンターライン」廃止へ 静岡市の国道1号・駿河大橋周辺道路…渋滞緩和策で1978年に導入

道路の中央線の位置を時間に応じて変更する、静岡県内唯一の、いわゆる「動くセンターライン」について、2024年度中の廃止が検討されていることがわかりました。渋滞緩和を目的とした交通規制に何が起きているのでしょうか?

交通量が多い道路の渋滞解消の対策として、3車線ある中央線の位置をずらし、時間帯によって交通量が多い側の車線を2車線にする中央線変移、いわゆる「動くセンターライン」。

県内唯一の「動くセンターライン」として1978年に導入されたのが、静岡市の国道1号線を通る駿河大橋周辺の道路です。

丸子方面から静岡駅方面に向かう「上り」は、午前0時から正午の間、2車線に。静岡駅方面から丸子方面に向かう「下りは」正午から午前0時に2車線になります。

(勝俣 宜彦 記者)

「時刻は正午過ぎになりました、いま標識が変わり、下りが2車線に変わりました、下り車線を走行している車が車線を変更しています」

時間帯で中央線を変更することで、車両がスムーズに流れる一方、危険な場面も…。2車線だと思って侵入した車が1車線だと気づき、慌てて車線変更を行う危険な運転が見られます。

警察によりますと、2020年から2023年10月3日までに、動くセンターラインの運用区間で発生した人身事故は86件。そのうち追突が38件と一番多く、次に出会いがしらの事故が22件と続いています。

日常的に道路を使用するドライバーからは、不安の声も聞かれます。

(ドライバー)

「ときどき(車線を)間違えて直進で入ってくる方がいて、ぶつかりそうになったりして、結構怖い」

「(車線が変わる)ギリギリの時間帯の時に、どっちだっけというのがあるので、私は真ん中の車線は通らない」

渋滞緩和を目的に導入された動くセンターラインは、現在、全国9都県に19か所あります。静岡市の安倍川にかかる橋は、1992年に静岡大橋が開通し、2018年には、国道1号静清バイパスが全線4車線化するなどして交通量が分散。そのため、運用区間の交通量は1985年のピーク時と比べると、4割ほど減少していて、渋滞緩和の役割が薄れてきています。さらに逆走などの危険運転による事故が後を絶たないため、警察は、動くセンターラインについて、来年度中の廃止を検討していて、すでに近隣住民に対し説明会を実施しているということです。

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