五輪断念「仕方ない」「残念」 札幌市民や観光客

2030年冬季五輪・パラリンピックの招致断念に関し記者会見するJOCの山下泰裕会長(右)と札幌市の秋元克広市長=11日午後、東京都新宿区

 一番大切な地元で、理解に広がりが欠けていた。11日、正式に表明された2030年冬季五輪・パラリンピックの招致断念について、札幌市民は「仕方がない」と冷静に受け止めていた。観光中の人たちからは残念がる声も上がった。

 都内で市長らが記者会見した同日夕、中心部の大通公園にいた同市豊平区の主婦本間典子さん(56)は、開催には「みんなの気持ちが上向く効果がある」と期待していたものの、東京大会汚職事件を受け「すっきりしない部分もあった。立ち止まるのは良い判断だ」。厚別区の会社員松崎重信さん(68)は「本当は札幌五輪を見たいが、少子高齢化対策など違う分野にお金をかける必要もある」と話した。

 岐阜県関市の会社員西脇哲治さん(51)は「選手を応援する人たちもいるだろうし、率直に残念」。一方、札幌市北区の会社員米地雅仁さん(62)は「今の招致は市民のためではなく、市役所の人たちの功績のためだと感じる」と不信感をあらわにした。

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