ケーブル窃盗 長さ81キロ、被害2億7000万円 5県で76件 カンボジア人グループ 茨城県警裏付け

盗難被害に遭ったケーブル(県警提供)

カンボジア人窃盗グループによる太陽光発電所のケーブル盗難事件で、茨城県警鉾田署と県警捜査3課、国際捜査課の合同捜査班は11日、カンボジア国籍の5人が、茨城や栃木など5県で未遂を含む計76件の犯行を繰り返したことを裏付けたと発表した。盗んだ銅線ケーブルの長さは約81キロに及び、被害総額は約2億7千万円に上った。

捜査3課によると、窃盗グループは、主犯格とみられる栃木県野木町、無職、被告の男(29)=窃盗罪などで公判中=ら26~37歳の男5人。いずれも容疑を認めているという。

グループは主に茨城、栃木の両県で犯行に及び、被害は栃木が38件、茨城が30件。いずれも深夜から未明にかけて、車両数台に分乗して狙いを定めた太陽光発電所に向かい、針金やワイヤ切断用の番線カッターと呼ばれる工具などで銅線ケーブルを切って盗み出していた。盗んだ銅線は県内外の金属買い取り業者に売却して換金し、覚醒剤の購入資金や遊興費、生活費に充てていたとみられる。

県警などによると、5人はいずれも技能実習生として入国後、在留期間満了後も不法に残留。交流サイト(SNS)を通じて犯行グループを組織し、2022年10月ごろからの4カ月余りの間に、茨城や栃木、群馬、埼玉、千葉の5県の太陽光発電所で、銅線ケーブルを盗んだとされる。

茨城県は20~22年の金属盗の年間認知件数が3年連続で全国ワースト。今年1~9月の認知件数は1900件(暫定値)で全国ワースト。このうち、太陽光発電所での被害は1047件に上っており、全体の55%を占めるという。

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