ソウル区長選、野党勝利 来春総選挙の前哨戦

ソウル市の江西区長選で勝利確実と報じられ、喜ぶ最大野党「共に民主党」の陳校薫候補(右から2人目)ら=11日(聯合=共同)

 【ソウル共同】来春に総選挙を控える韓国で、ソウル市の江西区長選が11日実施され、革新系最大野党「共に民主党」の陳校薫・元警察庁次長が勝利した。与野党は総選挙の前哨戦と位置付け、党幹部が連日応援に駆け付けた。

 江西区は近年、与野党の勢力が拮抗していた。支持率が低迷する尹錫悦政権への厳しい民意が示され、与党執行部の責任が問われそうだ。総選挙は中道層が多い首都圏での結果が全国の勝敗の鍵を握るとみられている。

 保守系与党「国民の力」の金泰佑・前区長は敗北を認めた。選挙管理委員会によると、陳氏の得票率は56%を超え、金氏に17ポイントの差をつけた。

 投票率は、前回より微減の48.7%だった。期日前投票率は過去最高の22.64%で、各支持層が結集したもようだ。

 今回の選挙は、金氏が今年5月、文在寅前政権の疑惑を暴露したとの公務上秘密漏えい罪で有罪が確定して失職したため行われた。8月、尹氏が特別赦免(日本の恩赦に相当)とした。

 江西区では昨年3月の大統領選で、共に民主党代表の李在明候補が尹大統領を僅差で上回り、同6月の区長選では、金氏が僅差で共に民主党の候補に勝利した。

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