五輪不信拭えず先送り 30年招致断念表明 市長、開催意義「伝えきれず」 38年でも 展望不透明

2030年冬季五輪・パラリンピックの招致断念に関し、記者会見するJOCの山下泰裕会長(右)と札幌市の秋元克広市長=11日午後、東京都内(金田翔撮影)

 札幌市と日本オリンピック委員会(JOC)は冬季五輪・パラリンピックの招致時期を2034年以降に先送りしたが、東京五輪を巡る不祥事で高まった不信感の払拭は容易ではない。招致実現には市民らの賛否を問う意向調査が不可欠だが、見通しは不透明だ。会場整備計画や物価高を踏まえた開催経費の見直しは必至で、市民の反発が強まることも予想される。12日から始まる国際オリンピック委員会(IOC)理事会・総会の議論によっては、38年へとさらに先送りを迫られる可能性もある。

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