高岡市、米パデュー大と連携 国内初の英語学習プログラム

英語学習プログラムの導入で合意したパデュー大のエルセンバウマー学長(左から5人目)と角田市長(同6人目)=米フォートウェーン市(飛田和重撮影)

  ●富大芸文と法科大導入 訪米の角田市長と学長合意

 【米フォートウェーン=飛田和重】姉妹都市フォートウェーン市を訪れている高岡市の角田悠紀市長は10日午前(日本時間10日夜)、パデュー大フォートウェーン校でロナルド・エルセンバウマー学長と面会し、同校が世界の学生や職業人向けにオンライン授業として提供する英語学習プログラムを高岡市で実施することで合意した。富大芸術文化学部、高岡法科大で行う方針で、日本国内での導入は初めてとなる。

 高岡市は富大、高岡法科大と事前の調整を進めており、市によると、高岡法科大では早ければ来年2月にも実現する見通し。

 米の名門校として知られるパデュー大の英語パートナー(ELP)プログラムは、英語教諭の資格取得を目指す学生が指導する授業で、無料で提供されている。教える側と教わる側の双方にメリットがあり、参加者の興味や講師の企画に基づき、個別にアレンジできる柔軟な内容となっている。

 8~13週間の課程で、5月現在でミャンマー、ネパール、フィリピン、インド、エクアドル、ウクライナから600人以上の学生が参加。話す、読み書き、聞くの分野でスキル向上を図っている。

 パデュー大フォートウェーン校で行われた歓迎式典で、エルセンバウマー学長は60カ国以上から500人以上の留学生を受け入れていることを紹介し、「当校の学生が多様な価値観、文化、考え方に接することは意義がある」と高岡側との連携に意欲を示した。高岡法科大に関しては「学生、教職員の交流も含め、今後の関係構築を推し進めたい」とも述べ、同大宛ての親書を角田市長に託した。

 これに角田市長は「今回の訪問を両市の大学間交流という新たな交流につなげたい。次代を担う国際的な人材の育成は両市の関係をより良く発展させていく」と力を込めた。途中で「私には苦手なものが二つある。英語と紙を読むことだ」と原稿なしでスピーチを行い、「大学連携の話をいただいたが、私は自分の住む高岡の子どもたちの英語の環境をもっと身近にして、パデュー大学に留学する子どもたちを高岡から送り出したい」と語った。

  ●高校向けも視野に

 式典後、角田市長はエルセンバウマー学長やELPの担当者に対し、大学生向けのELPを高校生向けに改良できないか直接交渉した。英語教育に力を入れる高岡、伏木、福岡の3高校で実践したい意向を伝え、パデュー大側も新たな試みに「前向きに進めたい」と応じた。

 引き続き、角田市長は芸術家や俳優の育成、工芸を扱う同大芸術デザイン学部の施設を見学し、富大芸術文化学部との連携に意欲を示した。

 ★パデュー大 インディアナ州立の4年制大学。ウエストラファイエットが本校で、フォートウェーン校、インディアナポリス校などがある。2021年に死去したノーベル化学賞の根岸英一氏は特別教授。卒業生に人類初の月面着陸に成功したアポロ11号のニール・アームストロング船長がいる。即戦力の人材輩出で定評があり、同大ホームページは「全米で最も信頼できる公立大学第4位」と紹介している。

パデュー大フォートウェーン校(飛田和重撮影)

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