全銀システムの送金障害、復旧 他行宛て振り込み利用可能に

11日、三菱UFJ銀行の支店に掲示された、システム障害を説明する張り紙=東京都台東区

 三菱UFJ銀行など全国の金融機関で起きた送金障害で、システムを運営する全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は12日、復旧し、午前9時時点で問題なく稼働していることを確認したと発表した。三菱UFJ銀は、他行宛ての振り込みが通常通り利用できるようになったと明らかにした。振り込みができなくなったり、遅れたりする異例のトラブルは10、11日の2日間続き、市民生活への影響が広がっていた。

 銀行利用者に影響が出る障害は1973年の稼働以来初めて。障害は10日午前に発生した。全国銀行データ通信システム(全銀システム)と金融機関をつなぐ「中継コンピューター」の不具合が原因で、この機器を使わない形での代替手段による振り込み作業を強いられていた。全銀ネットによると、影響を受けた取引は約506万件に上った。

 三菱UFJ銀は11日、他行宛ての振り込みの受け付けに時間制限を設けた。商工中金は他行宛ての振り込みを停止。一部自治体の児童手当の振り込みや、生命保険や損害保険会社の保険金の支払いにも遅れが発生した。

© 一般社団法人共同通信社