リーグ最高勝率のオリオールズをスイープし、３連勝で地区シリーズ突破を決めたレンジャーズ。それを最も喜んでいたのは、おそらくプレーオフでの登板を熱望していたマックス・シャーザーだろう。地区シリーズのロースター入りは見送られたシャーザーだが、リーグ優勝決定シリーズから戦列復帰する可能性は高いとみられている。2011年以来12年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ進出を果たし、球団史上初のワールドシリーズ制覇を目指すレンジャーズに頼もしい戦力が戻ってくることになりそうだ。
トレード・デッドラインの補強の目玉として、メッツからレンジャーズに加入したシャーザー。移籍後８試合に先発して４勝２敗、防御率3.20と期待に応える働きを見せていたが、９月中旬に右の大円筋を痛めて故障者リスト入り。当時、クリス・ヤングＧＭは「シャーザーがプレーオフで登板する可能性は低い」と今季絶望を示唆していたが、シャーザーは決して諦めず、「チームが勝ち進んでいけば、戦列復帰のチャンスはある」と望みを捨てなかった。
シャーザーの「俺にチャンスをくれ」という願いは通じ、チームは３連勝で地区シリーズを突破。これにより、シャーザーにはリーグ優勝決定シリーズの開幕までに準備をする十分な時間が与えられた。シャーザーはチームがリーグ優勝決定シリーズの開催地（ヒューストンかミネソタ）に移動する前に、実戦形式の打撃練習に登板し、現在の状態を確認する予定となっている。そこで大きな問題がなければ、プレーオフ通算７勝の実績を持ち、ナショナルズ時代の2019年にワールドシリーズ制覇も経験している39歳のベテラン右腕は、リーグ優勝決定シリーズのロースターに名を連ねることになりそうだ。
レンジャーズのブルース・ボウチー監督は「我々はワクワクしているよ」とコメント。「ロースター入りが実現してほしい。まだ時間があるからマックスの状態をしっかり確認したい。十分に投げられる状態だったけれど、地区シリーズではリスクを冒したくなかったんだ。彼に準備の時間を与えたかった。彼の状態をしっかり見極めたいと思う」と経験豊富なベテラン右腕について語った。プレーオフ５戦全勝と勢いに乗るレンジャーズだが、シャーザーの復帰が実現すれば、さらに勢いを増すことになるかもしれない。
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