京都の宝くじ「苦戦」なぜか売り上げ大幅ダウン 人気キャラ「太秦萌」幸運の女神なるか

市交通局の人気キャラクター「太秦萌」などの図柄を採用した宝くじ

 京都府と京都市が宝くじの売り上げ減に頭を痛めている。京都府と京都市が販売し、売り上げの一部は自治体の貴重な財源になっているが、2022年度はいずれもピーク時より3割超減った。京都府や京都市は臨時売り場を設置したり、PR活動に取り組む「幸運の女神」が職員に購入を呼びかけたりと、売り上げアップに躍起になっている。

 宝くじは都道府県と政令指定都市が販売し、京都府内の売り上げ相当分は府と市で折半され、当選金や手数料などを除いた約4割をそれぞれ収益金として受け取る。府はこのうち約2割を京都市を除く市町村に再配分し、府を通じて全額が京都市を除く市町村に配分される宝くじもある。

 京都府の22年度の売り上げ相当分は86億円で、06年度の121億円をピークに減少傾向が続く。収益金は06年度の51億円に対し、22年度は33億円と過去最少だった。京都市の売り上げ相当分は最多だった02年度の99億円から22年度は72億円、収益金は41億円から28億円にまで落ち込んだ。

 京都市は22年度当初予算で収益金を35億円と見込んでいたが、7億円少なかった。収益金の充当を見込んだ児童館の運営費やクリーンセンターの維持管理費などには他の財源を充てることになり、「見込み通りの収益金があれば他にもいろんな事業ができた」(市財政室)とする。

 宝くじの売り上げ減は全国的な傾向だ。総務省によると、全国の売り上げはピーク時の1兆1千億円(05年度)から8300億円(22年度)に減少した。一方、公営ギャンブルの競艇と地方競馬は22年度の売り上げが過去最高を記録した。宝くじの主力購買層が高齢化していることや、インターネット購入の本格開始が18年度と競艇や競馬と比べて後発で、若者層を十分取り込めていないことが原因とみられるという。

 京都府と京都市も手をこまねいているわけではいない。市は新型コロナウイルス流行前の18、19年度に、世界遺産・二条城(中京区)や市動物園(左京区)などに臨時売り場を設置。2日間限定で売り場を設けた二条城では約5千枚を売り上げるなど好評だった。市はコロナ禍で見送っていた臨時売り場の設置を近く復活する方針だ。また、一部の宝くじの図柄に市交通局の人気キャラクター「太秦萌」を採用。府は市と連携してJR京都駅近くでキャンペーンを実施したほか、「幸運の女神」に府庁内の各部局を回ってもらって職員に購入を呼びかける取り組みも行っている。

© 株式会社京都新聞社